日常229 目が覚めると・・・ ページ17
「んん…ここは?」
翌日、少女が目を覚ますと真白な天井が目に入る。
_あれ…ここはもしかして…
薬品の匂いが少女の鼻をかすめる。
少女の予想は段々確信へと変わっていく。
「おや、Aさん。目を覚ましましたか。」
「あ、寂雷さん。」
_やっぱり寂雷さんの病院だったか。
目を覚ました少女に声をかけたのは寂雷だった。
「…またご迷惑をおかけしたようで…ごめんなさい。」
「君が謝る必要はないよ。頑張ったね。」
昨日の記憶が少女の中に流れ、どうしてここに居るのか理解した少女は、また自分の行動で多くの人に心配をかけてしまったと、焦りだす。
しかし、寂雷は落ち着いた様子で少女の頭を撫でた。
寂雷の言葉と掌に安心した少女はようやく落ち着きを見せ、
「私にどこか悪い所って…」
自分の症状を問いかける。
「大丈夫だよ。念のために一晩入院してもらったけど、記憶もあるし言葉もしっかり話せているしね。」
「…よかったぁ。」
もし自分に何かあったら、一郎が気に病んで大変そうだと思っていた少女は酷く安心する。
ベッドの上で脱力する少女を見て、寂雷は、
「取りあえず、一郎君に連絡を入れてみたらどうかな。きっと喜ぶよ。」
「あー、そうしたいんですけど、確か今日大きな依頼があったような…。」
連絡したら、迷惑になるのではないだろうか。
そう思った少女が申し訳なさそうにそう言うと、寂雷は、
「あぁ、そのことなら昼に来た一郎君と話してあるよ。今日は私が送っていくね。取りあえず、メールだけでもしておいてあげてくれないかな?」
「良いんですか!?」
「勿論だよ。」
寂雷はニコニコ笑って少女を見る。
「じゃあ、お言葉に甘えて…。って、え?一郎が昼に来たときって…」
少女が一郎に、
『目が覚めました!異常はないみたいなので安心してください!後、寂雷先生が家まで送ってくれるそうなので、心配しないで依頼頑張ってね!』
と連絡を打っていると、<昼に一郎が来た>と寂雷が言ったことに引っかかり窓の外を見ると・・・
「うわぁ、私ぐっすり寝たんですね。」
夕日が見えた。
まだお昼だと思っていた少女は驚きを隠せないようだ。
「ふふふ。仕方ないよ。さて、私ももうすぐ仕事が終わるからもう少しだけ待ってもらっても良いかな?」
_今日は早上がりなんだ。
嬉しそうに告げる寂雷に、
「勿論です!何から何までありがとうございます。」
少女は頭を下げるのだった。
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きな粉もち - いもけんぴさん» ご返信ありがとうございます。楽しみに待っています! (2022年10月29日 18時) (レス) id: 7285b7d776 (このIDを非表示/違反報告)
いもけんぴ(プロフ) - きな粉もちさん» きな粉もち様、コメントありがとうございます。いずれ、全体公開を考えているため、もう少しお待ちいただけますと幸いです。申し訳ありません。 (2022年10月27日 16時) (レス) id: 9d0d70bc15 (このIDを非表示/違反報告)
いもけんぴ(プロフ) - くりゅさん» くりゅ様、コメントありがとうございます。いずれ、全体公開を考えているため、もう少しお待ちいただけますと幸いです。申し訳ありません。 (2022年10月27日 16時) (レス) id: 9d0d70bc15 (このIDを非表示/違反報告)
いもけんぴ(プロフ) - れんさん» れん様、コメントありがとうございます。いずれ、全体公開を考えているため、もう少しお待ちいただけますと幸いです。申し訳ありません。 (2022年10月27日 16時) (レス) id: 9d0d70bc15 (このIDを非表示/違反報告)
きな粉もち - 人間洗浄機シリーズ、いつも楽しませていただいております!8以降のパスワードを教えていただけないでしょうか? (2022年10月26日 16時) (レス) @page47 id: 7285b7d776 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:芋けんぴ | 作成日時:2021年1月17日 19時