日常223 一郎への信頼 ページ11
「どうする!?」
「どうするったって…ドウシヨ。」
独歩は焦って一二三に問いかけるが、一二三も一二三で混乱していた。
この状況では何も解決できない。
と、いうわけで、
「と、取りあえず、先生に連絡してみよう!」
「そうだな!先生なら何か考えがあるかもしれない!」
寂雷に電話をかけてみることに。
一二三はすぐにスマホを取り出し、寂雷に電話をかけた。
「…成程。そんなことが。」
寂雷は診察室にいたようで、臨時ニュースを把握できていなかった。
一二三が電話で説明して、状況がわかると寂雷は一二三を安心させるように優しく微笑む。
実際に近くに居なくてもそういう所を気にするあたりが、名医たる所以だろうか。
「…確かにAさんは心配ですが…大丈夫ですよ。」
『本当っすか?』
「えぇ、だって彼女の側には一郎君がいますから。彼がいるのならば心配は無用です。」
_まぁ、Aさんだって強い人だから、2人が一緒なら大丈夫でしょう。
寂雷はふわりと笑うと電話を切り、次の診察に向かった。
喫茶店内では、重たい空気が流れている。
それもそのはずだ。何故ならばここは今覆面男に占拠され、人質が数多くいるという最悪な状況なのだから。
それぞれが不安気にどこかを見つめていた。
少女も心なしか震えている。
「…A、大丈夫か?」
それに気が付いた一郎は少女に優しく小声で声をかける。
「…大丈夫。」
少女は一郎に笑いかけはするものの、その表情は強張っていた。
数多くいる人質、初めて見る多くの<違法マイク>。
自分の得意分野が通用しない中、この現状を変えられない無力感と、自分以外の人が傷ついてしまったらという恐怖感が少女を襲っていた。
そんな少女の震える肩を一郎は抱きしめる。
「…!いちろっ」
「大丈夫。大丈夫だ。俺が何とかする。」
肩を抱かれた少女は驚いて一郎を見上げると、そこには優しく微笑む一郎の姿が。
_こういう所、空ちゃんにそっくりだ。
少女はその肩の温もりと力強さに安心し、震えが収まる。
_何とかするっつったものの、どうするか。
一郎が、作戦を考えようと前を向いたその時、
_パチッ!
一郎のスマホの画面が付く。
そして、そこにはくりくりのお目目が。
綺麗な緑の目、間違いなく三郎のものだった。
_アイツ等…!
一郎はこの状況を打破する希望を見いだし、目に闘志を宿した。
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きな粉もち - いもけんぴさん» ご返信ありがとうございます。楽しみに待っています! (2022年10月29日 18時) (レス) id: 7285b7d776 (このIDを非表示/違反報告)
いもけんぴ(プロフ) - きな粉もちさん» きな粉もち様、コメントありがとうございます。いずれ、全体公開を考えているため、もう少しお待ちいただけますと幸いです。申し訳ありません。 (2022年10月27日 16時) (レス) id: 9d0d70bc15 (このIDを非表示/違反報告)
いもけんぴ(プロフ) - くりゅさん» くりゅ様、コメントありがとうございます。いずれ、全体公開を考えているため、もう少しお待ちいただけますと幸いです。申し訳ありません。 (2022年10月27日 16時) (レス) id: 9d0d70bc15 (このIDを非表示/違反報告)
いもけんぴ(プロフ) - れんさん» れん様、コメントありがとうございます。いずれ、全体公開を考えているため、もう少しお待ちいただけますと幸いです。申し訳ありません。 (2022年10月27日 16時) (レス) id: 9d0d70bc15 (このIDを非表示/違反報告)
きな粉もち - 人間洗浄機シリーズ、いつも楽しませていただいております!8以降のパスワードを教えていただけないでしょうか? (2022年10月26日 16時) (レス) @page47 id: 7285b7d776 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:芋けんぴ | 作成日時:2021年1月17日 19時