意味が分ると怖い話 ┏┛９┗┓

幻のラーメン ページ18

幻のラーメン『童麺』を探して4ヶ月余り。

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いくら中国の物価が安いとはいえ、帰りの渡航費を引くとあと1週間が限度か。
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ラーメン激戦の日本で成功するには『童麺』を知る以外、

道は無いと思っている。

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きっかけは中国系移民で俺のラーメンの師匠、朕さんの話からだ。
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浙江省にある村でしか作らないと言われているらしい。

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ほとんどの村はお茶ばかり作っているし、独自のラーメンを

作る人たちは居なかった。
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しかし、これが最後と決めた村で、 ついに『童麺』と出会った。

他の村よりもっと貧しいと思われる山村。
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僅かばかりの開墾で食べているのが俺の目でもわかる。

その村では旅人にしか 出さない、最高のもてなしが『童麺』なのだと言う。

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俺が訪ねた家は8人の大家族だった。子供4人、若い夫婦2人、老夫婦2人。
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充分な謝礼を用意するから是非、振舞って欲しいと

一家の主であろう長老にお願いした。
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長老の話では数十年前から、そういったもてなしはしていないとの事。
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作り方も老人達の一部しか記憶しておらず、 自分も曖昧だと言う。
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