貴方と居る事と生き残る事 2

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Aside


「..ハートの10」


思わず声に出してしまった。

今まで出現していなかったハートの10がビーチで開催される。ハートは人の心を弄ぶゲーム。

その10だからかなりしんどい戦いになりそう。
どれだけの人が死んでしまうか分からない。


「それでは、ルールの説明をさせて頂きますのでプレイヤーの皆様はロビーにお越しください」


「面白くなってきたねぇ、行こうか」


とチシヤが言う。此処で待っていても何も変わらない。

ハートの10のトランプを手に入れられば絵札以外のトランプは全て揃う。クリアするしかない。

私たちはロビーへ移動した。

ビーチの館内はかなり混乱していて色んなところから叫び声が聞こえた。

沢山の人が走ってロビーに行く。
ロビーに到着するともう既に沢山人がいてスマホを片手に持っていた。

私たちも白い机の上にあるスマホを手にして起動させた。

周りを見るとミラやクズリュー、アンやアグニなどの幹部も全員集まっていた。

人は一点を囲むように集まっていた。
何があるんだろうと思い目を凝らすけど人が多すぎて何も見えない。

人をかき分けて最前に行くとそこには女の子の左胸に包丁が刺さって死んでいた。

それを見た全員は深刻な顔をして辺りはやがて静寂に包まれた。

ある女の子が人々の間をすり抜けてきて

「..モモカ！！なんで...」

と大きな声をあげて横たわっている彼女に近づく。
きった彼女の友達だろう。2人とも私と同い年ぐらいの女の子だった。

その数秒後に通知メロディーがスマホから鳴った。
ロビーに集まったすべての人がスマホに視線を移した。


「ゲーム"まじょがり"」

「少女の命を奪った邪悪な魔女が皆さんの中に潜んでいます。」

「魔女が女性とは限りません」

「魔女を見つけ出し、裁きの炎で燃やせばクリア。」

「制限時間 2時間」


次々とルールが説明される。

窓から眩しい光が差し込んでくる。
目を凝らすと焚き火が燃えていた。あれが裁きの炎なのね。
かなり強い加減で燃えてる。


「裏にある火が燃えてる！！」


と1人の男の人が叫ぶ。
その声を聞いた瞬間に周りがざわめきだした。


「モモカを殺した犯人を見つけてかがり火で焼き殺す」


アンがルールを要約して言う。


「魔女狩りか、面白そうじゃねぇか」


とニラギが中央に歩いてくる。
スマホを見るともう制限時間のカウントダウンは進んでいた。

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