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備えあれば、 ページ10




ただの、何の変哲もない団地の一室。
不気味なほど暗くて、静か。


音を立てないように、奥へ奥へと進んでいく。
吐息のひとつでさえ察知されて殺されてしまいそうな緊張感の中、無表情のチシヤのパーカーの袖を、彼に気づかれないようにそっと握った。


ふ、と後ろから気配がする。
前にいる2人は気づかないような、そんなささやかな気配。
息を殺して後ろを振り向く。

その瞬間だった。



「危ない!」



男が叫びながらチシヤを押し倒す。
一緒に巻き込まれた私はチシヤと一緒に床に転がる。

馬の標準が私に向いた。

死ぬ。

刹那的にそう思い、何もかもがスローモーションに見えた瞬間。


チシヤが、馬に向かってスタンガンを押し付けた。
一瞬の事だった。

馬は倒れ、チシヤは息を吐く。

ゲーム会場に入った際の、コードに繋がれていたモノはラジオじゃなくてお手製のスタンガンだったんだ。


「備えあれば憂いな…」


バンバンバンバン!!
言いかけたところで、倒れていた馬が再度起き上がって攻撃をする。
男の人は部屋の奥に入り、チシヤは後退。

思わず私も部屋の中に勢い良く入る。
離れる前のチシヤが私の腕をつかもうとして、空を切った。


ガン!


何が何だか分からない。

ただ、勢いあまりすぎて部屋の一角に頭をぶつけ、私を揺さぶる男の顔がぼやけて見える。

あ、これ意識失うな。

幼い頃に貧血で倒れた経験がフラッシュバックして、静かに私の意識は暗闇の中に沈んで行った。

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みりん(プロフ) - はーとさん» わぁ嬉しいです( ¤̴̶̷̤́ ‧̫̮ ¤̴̶̷̤̀ )! 褒め方が上手すぎて更新意欲が止まりません!笑 今後ともよろしくお願いします! (2023年1月26日 2時) (レス) id: 54bed94868 (このIDを非表示/違反報告)
はーと(プロフ) - みりんさん» 本家のストーリーもありつつチシヤとのシーンがオリジナルで加えられていて最高です✨️✨無理はせずにこれからも更新お願いします🙇‍♂️これからも読ませていただきます^^ (2023年1月25日 17時) (レス) id: f292a3492c (このIDを非表示/違反報告)
みりん(プロフ) - そらのさん» 嬉しいです…!止まらなくて、気づいたらもう移行なのですが最後まで付き合ってくださるとありがたいです՞・֊・՞! 更新が捗ります🫶🏻 (2023年1月25日 4時) (レス) id: 54bed94868 (このIDを非表示/違反報告)
そらの(プロフ) - 主様の小説本当好きです!チシヤの小説少ないのでこの作品が楽しみで仕方ないです!更新楽しみにしております! (2023年1月25日 4時) (レス) @page47 id: 17ad6f88d5 (このIDを非表示/違反報告)
みりん(プロフ) - はーとさん» 嬉しいコメントありがとうございますꈍ .̮ ꈍ こういうコメントのおかげで更新する気力が湧いてきます!今日も頑張りますね💪🏻( ¤̴̶̷̤́ ‧̫̮ ¤̴̶̷̤̀ ) (2023年1月25日 3時) (レス) id: 54bed94868 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みりん | 作成日時:2023年1月18日 5時

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