嵌められた ページ48
・
ピーピーピーピー!!
けたたましく鳴り響くアラーム音に頭が真っ白になった。
チシヤ、と何度も呼びかけるがトランシーバーの向こう側は無音だ。
まさかコードを間違えた?
8022じゃなかったのかもしれない。
どういう事だ、と頭を張り巡らせて居ると、後ろから粘着質な男の声が聞こえた。
「随分堂々と入り込んじゃってまァ」
信じられない気持ちでニラギを見ていると、後ろからチシヤが軽薄な笑顔で現れる。
トランシーバーをキャッチして手遊びするその姿に理解が追いつかず、「なんで…」と声が漏れた。
「離せ!」
さらにその後ろから現れたのは、武闘派に押さえつけられながら出てくるウサギ。
思わず駆け寄ろうとして顎に衝撃を感じ、次の瞬間には視界が床でいっぱいだった。
「ウサギ!じゃねぇよバァーカ!」
心底楽しそうに蹴りを入れられて、視界がぼやけた。
「チシヤ、助かった。異変を察知してくれたおかげだ」
「いえいえ、当然のことです。」
ようやく理解が追いつく。
俺たちは嵌められたんだ。
クイナとチシヤ、Aの顔が浮かんで消えていく。
最初から騙すつもりだったんだ。
悔しくて唇を噛み締める。
「あんただけは敵に回したくない」
と、チシヤに向けて言った数分前に思いを馳せた。
今でもそう思う。
数分後の彼は、「敵」になってしまったけれど。
ごめん、また俺のせいで。
二ラギからの殴打で意識が遠のくのを感じながら、抵抗するウサギに心の中で謝った。
234人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みりん(プロフ) - はーとさん» わぁ嬉しいです( ¤̴̶̷̤́ ‧̫̮ ¤̴̶̷̤̀ )! 褒め方が上手すぎて更新意欲が止まりません!笑 今後ともよろしくお願いします! (2023年1月26日 2時) (レス) id: 54bed94868 (このIDを非表示/違反報告)
はーと(プロフ) - みりんさん» 本家のストーリーもありつつチシヤとのシーンがオリジナルで加えられていて最高です✨️✨無理はせずにこれからも更新お願いします🙇♂️これからも読ませていただきます^^ (2023年1月25日 17時) (レス) id: f292a3492c (このIDを非表示/違反報告)
みりん(プロフ) - そらのさん» 嬉しいです…!止まらなくて、気づいたらもう移行なのですが最後まで付き合ってくださるとありがたいです՞・֊・՞! 更新が捗ります🫶🏻 (2023年1月25日 4時) (レス) id: 54bed94868 (このIDを非表示/違反報告)
そらの(プロフ) - 主様の小説本当好きです!チシヤの小説少ないのでこの作品が楽しみで仕方ないです!更新楽しみにしております! (2023年1月25日 4時) (レス) @page47 id: 17ad6f88d5 (このIDを非表示/違反報告)
みりん(プロフ) - はーとさん» 嬉しいコメントありがとうございますꈍ .̮ ꈍ こういうコメントのおかげで更新する気力が湧いてきます!今日も頑張りますね💪🏻( ¤̴̶̷̤́ ‧̫̮ ¤̴̶̷̤̀ ) (2023年1月25日 3時) (レス) id: 54bed94868 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:みりん | 作成日時:2023年1月18日 5時