ゴール ページ33
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「…っ、痛…」
急ブレーキを踏んだ際にぶつけたおでこの痛みに、思わず目を瞑る。
横を見るとアンが「ゴールしたみたいね」と淡々と言った。
「う…。いててて…ユイちゃん、大丈夫？」
「うん…」
クイナもユイちゃんも無事みたいだ。
タクヤさんもブルブル震えているが目立った外傷は無い。
「…は…戻ってきた…」
思わず前かがみになると、クラクションが「プーー！」と鳴り響いた。
怒られないかと辺りを見回すと、ゴールにたどり着いている車は私たちを含めて2台だけ。
「…嘘…」
呆然としていると、一斉にスマホが軽快な音楽を鳴らした。
「ゲームクリア。こんぐらっちゅれいしょん」
トランプの絵柄が表示される。
これで8日分のビザが獲得できた。クラブの8も中々希少らしいから、ボーシヤも喜ぶだろう。
「…はぁ…助かったあー…」
クイナがぐで、と後部座席で横になる姿を見て、私もやっと一息ついた。
「…貴方、なかなかやるわね。」
アンが助手席のドアを開けて外へ出る。
それに続くように私も出ながら、「たまたまだよ」と続けた。
「ほんまやわ、Aのおかげでウチらが助かった。ほら、あんたもお礼言いや」
タクヤはブルブル震えながら、「なんだよこれ、なんでこんなことに…」と呟いている。
少しだけ可哀想になって肩をさすろうとすると、手をはらいのけられて言われた。
「ば、化け物！」
叩き落とされた手が熱くなる。
「化け物」
久しぶりに言われたそれは、ゲームを達成した疲労感や達成感をどこかに放り投げて、ただただ恐怖として私の胸に根を張った。
「…お姉ちゃん」
は、と見下ろす。
どくり、と心臓がうるさいのを隠しながらユイちゃんに「なぁに？」と聞くと「お姉ちゃんのおかげだよ、ありがとう」と笑う。
「せやで！あんたがこうやって生きてるんも、Aのおかげや！歳下の小学生はお礼言えて、あんたは化け物呼ばわりか！」
関西弁でまくし立てるクイナがよっぽど恐ろしかったのか、スマホを投げ捨てて走り去って言ったタクヤくん。
流石のアンも呆れたように逃げていった方向を見ながら、フゥとため息をついた。
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みりん(プロフ) - はーとさん» わぁ嬉しいです( ¤̴̶̷̤́ ‧̫̮ ¤̴̶̷̤̀ )！ 褒め方が上手すぎて更新意欲が止まりません！笑 今後ともよろしくお願いします！ (2023年1月26日 2時) (
レス) id: 54bed94868 (このIDを非表示/違反報告)
はーと(プロフ) - みりんさん» 本家のストーリーもありつつチシヤとのシーンがオリジナルで加えられていて最高です✨️✨無理はせずにこれからも更新お願いします🙇♂️これからも読ませていただきます^^ (2023年1月25日 17時) (レス) id: f292a3492c (このIDを非表示/違反報告)
みりん(プロフ) - そらのさん» 嬉しいです…！止まらなくて、気づいたらもう移行なのですが最後まで付き合ってくださるとありがたいです՞･֊･՞！ 更新が捗ります🫶🏻 (2023年1月25日 4時) (レス) id: 54bed94868 (このIDを非表示/違反報告)
そらの(プロフ) - 主様の小説本当好きです！チシヤの小説少ないのでこの作品が楽しみで仕方ないです！更新楽しみにしております！ (2023年1月25日 4時) (レス) @page47 id: 17ad6f88d5 (このIDを非表示/違反報告)
みりん(プロフ) - はーとさん» 嬉しいコメントありがとうございますꈍ .̮ ꈍ こういうコメントのおかげで更新する気力が湧いてきます！今日も頑張りますね💪🏻( ¤̴̶̷̤́ ‧̫̮ ¤̴̶̷̤̀ ) (2023年1月25日 3時) (レス) id: 54bed94868 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みりん | 作成日時：2023年1月18日 5時
