優しさ ページ4
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ふ、とおじさんが自嘲気な笑顔を浮かべたところで、異変に気がついた。
呼吸が荒い。
顔と唇が、少しだけ青白い。
「…あの、」
大丈夫ですか。
その言葉が出てくる前に、息が詰まった。
「っ、足が…！」
「あぁ、無茶しすぎたかもなぁ」
血が黒いズボンにシミを作って、どんどん地面に溢れていく。
「少し見せてください」
静止の声も無視してめくると、悲鳴をあげたくなるような痛々しい銃痕があった。
皮膚をえぐるように埋め込まれた弾に、思わずまゆを顰める。
「そんな顔しないでくれよ」
「笑い事じゃありません。今回のげぇむで銃を使うことなんかありませんでした。1つ前以前のげぇむの傷が治らないままここに来たんですか…！？」
ヘラヘラ笑っているおじさんも、額には脂汗が滲んでいる。
「…どうせ医者もいねぇよこんな荒廃した世界には。だったら沢山げぇむをこなして、休む方が良いじゃねぇか。」
沢山げぇむをこなすと、休めるのか。
深堀してみたくなったけれどこちらの方が先決だ。
自分のシャツの裾を引きちぎって彼の足に巻き付ける。
応急処置程度だけどこれで血が無駄に体外に出ることはないだろう。
「お嬢ちゃん、服が」
「黙って。そんな事どうでもいいです」
へそがむき出しになる辺りまで布を引きちぎり、彼の足を完全に固定したところで一息ついた。
「これでお医者さんを探してください。私やあなたがいるのだから、きっと医者もこの世界に飛ばされてる。」
「…あぁ」
私の服をやたらと気にする彼。
先程まで食うか食われるかの世界だったのに、途端にそんな小さなことを気にするのがおかしくなって、ふ、と笑って見せた。
「こんなのは今流行りのショート丈です。海に行けばこれぐらいの水着を着た女の子たちがいるでしょ」
「…ありがとな。気をつけろよ」
ついて行きましょうか？と申し出たけれど、彼は少し笑って手をヒラヒラさせた。
「お嬢ちゃんは次のげぇむに進んだ方がいい。俺は俺で探すから。お荷物はここらで退散する」
お荷物なんて思わないのに。
「後な、その優しさは命取りかもしれないぜ。俺は助けられたけどな、自分の命と天秤にかけて行動した方がいい」
ピ、と御札のように渡されたのは、先程の「スペードの3」のカード。
いつの間にとったのだろう。これを持ってるとなにかいいことがあるのか。
結局彼から何も聞き出せないでいた。
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みりん(プロフ) - はーとさん» わぁ嬉しいです( ¤̴̶̷̤́ ‧̫̮ ¤̴̶̷̤̀ )！ 褒め方が上手すぎて更新意欲が止まりません！笑 今後ともよろしくお願いします！ (2023年1月26日 2時) (
レス) id: 54bed94868 (このIDを非表示/違反報告)
はーと(プロフ) - みりんさん» 本家のストーリーもありつつチシヤとのシーンがオリジナルで加えられていて最高です✨️✨無理はせずにこれからも更新お願いします🙇♂️これからも読ませていただきます^^ (2023年1月25日 17時) (レス) id: f292a3492c (このIDを非表示/違反報告)
みりん(プロフ) - そらのさん» 嬉しいです…！止まらなくて、気づいたらもう移行なのですが最後まで付き合ってくださるとありがたいです՞･֊･՞！ 更新が捗ります🫶🏻 (2023年1月25日 4時) (レス) id: 54bed94868 (このIDを非表示/違反報告)
そらの(プロフ) - 主様の小説本当好きです！チシヤの小説少ないのでこの作品が楽しみで仕方ないです！更新楽しみにしております！ (2023年1月25日 4時) (レス) @page47 id: 17ad6f88d5 (このIDを非表示/違反報告)
みりん(プロフ) - はーとさん» 嬉しいコメントありがとうございますꈍ .̮ ꈍ こういうコメントのおかげで更新する気力が湧いてきます！今日も頑張りますね💪🏻( ¤̴̶̷̤́ ‧̫̮ ¤̴̶̷̤̀ ) (2023年1月25日 3時) (レス) id: 54bed94868 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みりん | 作成日時：2023年1月18日 5時
