[メリオダス]消えたもの２ (ページ41)

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☆71話☆ ページ41

貴女side

「すみません。驚かせましたね」

「あ。だ、大丈夫ですよ」

騎士団がどこかへ行ったあと、声をかけた少年と話をした

「えと……あなたは？」

「失礼しました。僕はアラン」

眼鏡を掛けた青年。アランさん

…どこかで聞いたことあるような声。気のせいかな。他人の空似とかあるし

「あ、私は……」

エリザベスも流れに合わせて名乗ろうとした
それじゃあスカーフを巻いた意味ないよ！バレちゃうから！

ホークもそれがわかったみたいで慌ててとめる

「おいエリザベスちゃん！お尋ねものが名乗っちゃダメだぜ！？」

「そ、そうねホークちゃん！Aも！！」

「う、うん？…あれ」

いや待って！

もう名前出しちゃったよね。完全に全員の名前言っちゃったよね

「エリザベスにホーク、そしてAですか」

「「あっ……」」

「あーぁ…」

バレちゃった

「うおぉぉ俺とたしたことがすまねぇ！！」

「ごめんなさいぃ！！」

「やっちゃったよ……」

天然か君達はっ！

でもアランさんはあまり気にしていない様子。というか、手配書の存在を知らないのかな

「名乗り会うのはコミュニケーションであり礼儀です。別に悪用はしません」

「ほっ……」

安心したのも束の間だった

突然エリザベスの手配書がパラリ。アランさんの顔へ張り付いた

それを見たアランさんがうんうん頷く

私は神器を片手に身構えた

「お金が手に入るのですね…」

「う、売っ払うなら俺を売れぇーーっ！！」

「冗談です」

ポイっと手配書を捨ててそう言うアランさん
私たちはその場でズッコけた

ヒヤヒやする冗談だよ全く…心臓にわるい

「アランさんはお金が必要なんですか？」

エリザベスの質問からアランさんはいろいろ話す

けれど、正直私にはちんぷんかんぷんだ

感情とか心とか
それらが知りたい、理解できないなんて

まるで、ゴウセルみたいなことを言う人だった

「では、僕はこれで」

私の思考がゴウセルに入ったところでアランさんは去っていった

「本当に変なやつだったな…」

ホークの言葉に少しだけ納得した私とエリザベス

たしかに変わった人だった
普通の人とは違う、何かがあるみたいだった

「とりあえず、やること済んだし帰ろっか」

「ですね」

それから私達はハーブへを買い、お店へ帰った

あのアランさんとまた別の形で再開するなんて
この時の私はまだ知らない

――――そして、自分の身の危険さえも知らない