[メリオダス]消えたもの２ (ページ5)

今日:19 hit、昨日:1 hit、合計:325,509 hit

☆39話☆ ページ5

メリオダスside

ケインが手から炎を出す。一つ一つ重さとなって俺に襲いかかる

「なぜ王国を滅ぼした！！」

俺は全て食らった。故意に受け止めた。そうしなければならない

「なぜ人々を……リズ殺した！？」

何度も何度も

「なぜ己の想い人……」

「………」

「Aを見捨てた！！」

言葉の全てが刃となって俺に突き刺さる

違う、見捨てたんじゃない
こんなものは言い訳にしかならないのに

「なぜ、皆を裏切ったんじゃ！！」

どうしようもない言い訳だが、これは今の俺の意志

「守ろうとした。全てを守りたかった……でも、できなかった……」

俺の頭にあの時がよぎる
何度も繰り返したあの頃ではなく、何の因果か訪れたイレギュラー

本当に、全てを消す必要があったのか

“だ、れ……？”

“あなた………誰……？

“わからない……わからないよぉ………”

瓦礫の中、ただ泣き崩れるA
止まることを知らない涙は溢れ、流れ、そしてまた溢れ。拭っても拭っても絶えることはない

「それが俺の罪」

なにもわからない。俺のことさえわからない。そんなイレギュラーに戸惑い、焦った

「だから今度こそ……」

ずっと昔にした約束は、今もお前は知らない
だからあの日俺はもう一度誓ったんだ

“俺のこの命にかえても、絶対Aを守る！！”

「守らなきゃならねぇんだ！！」

これは覚えてくれているだろうか。今のお前は、この意味を悟ってくれただろうか

カウンターパニッシュで炎をかき消す。それと共に、ケインの顔つきも変わった

跡形も残らない亡国の瓦礫の中、俺はお前に誓った言葉

三千年前とはまた違った約束。それでも意味は同じなんだ

お前がそれを知るのは、もっとずっとさきだろう
それでいい

今は、そのままで…