第２３話 ご近所さん ページ25
「じゃあさ〜」
高校生活が始まって、
何一つ不自由のない生活。と、思いたいが
かなりめんどくさい状況になった。
事の始まりは、
５分ほど前、
朝のHRの時間だった。
「＿＿＿＿＿で、話は以上だ。
なにかオレに聞いておきたいことあるか？」
「あ、先生、一ついいですか？」
「あ？ああ、構わないぞ！」
「私、目が悪いので席を交換して欲しいんです。」
「どのくらいなら見えるんだ？」
その子は席を立った
上履きの音が、教室に響き
少しづつ、近づいてきてる。
「あ、ここなら、見える！」
私は驚いて顔を上げた。
担任は、その子の顔と私の顔を見比べ
首をひねり、「うーん」と唸る。
私は正直動きたくなかった。
別にこの子の隣が嫌だとか、
そういう意味では無い。
ただ、自分のいた席を
誰かと交換するという行為が
私が嫌なだけ。
なんとも我儘で自己中心的な考えだが
口に出さなければ、問題では無い。
「……え、いいの？」
私が無言で席を空けると
彼女はすごく嬉しそうな顔をした。
そんなに嬉しいものかな。
「はあ…」
それで今現在、
私は彼女が座っていた席に座っている。
現在、暇なため欠伸がよく出る。
眠たい目をこすって時計を見ると、
もう授業が始まる時間だ。
ロッカーから教科書を取り出して、
ふと、となりを見た。
「あ、どうも。」
「…どうも。」
目が合ってしまい、
気まづくなったので、お互いなにか一言。
隣の人、
あの吐き気催していた人だったなんてね…
なんか、気まずいな。
話すことなんかは、全くないけど。
「……図書室、行こうかな。」
煩くもなく、騒がしくもない。
未知の領域を、味わえる場所だ。
もちろん、行くのは放課後。
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作者ホームページ：なし 作成日時：2015年10月25日 21時
