【A3!】天才ちゃんの化けの皮。

#13 ページ15

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Sumeragi side.






昨日の騒動があって、昨日はよく眠れなかった。
まだ疲れの残っている身体を引きずってリビングへ。





リビングへいくと、臣さんが朝飯を作ってくれていて、もう咲也たちが食べ始めていた。








「…はよ、」







「あ！天馬くんおはよう！」






「はよーっす」







「おはよう天馬、朝飯できてるから食べてくれ！」






「ありがとうございます、臣さん。」









適当に椅子に座って、朝飯を食べ始める。
今朝のメニューは、スクランブルエッグにトースト。それからスープにサラダ。








トーストにバターを塗り、かじりついたところで咲也が話しかけてきた。








「天馬くん、由井さんは今日どうするの？」







「由井？…あー、確か10時から原宿でバラエティのVの撮影で…午後から学校行くらしい。」







「へぇ〜…なんかすごいね！本当にタレントさんなんだ…」







「だからそろそろ起きてくると思うけど…。



…あ、」







「ん？どうしたの、天馬くん。」








突然変わった俺の雰囲気に、不思議に思った咲也が不安そうに顔を覗き込んでくる。








「やべぇ忘れてた…」






「何が？！顔真っ青だよ？！」







「…由井さ…、寝起きが…、ハグ魔になるんだよ。


俺も遭遇したことはねんだけどよ、マネージャーが言ってた。」







「…えっ」









咲也にそう言った直後、リビングのドアが開いた。
恐る恐るそちらを向くと…覚醒時とは似ても似つかないほど無防備な顔をした奴がいた。









『………皇くん。』







「お、おう…。はよ、」








ぽてぽてとおぼつかない足取りで俺に近づいてくる。
…今まで感じたことのない由井の雰囲気に当てられて、身動きがとれない。









『皇くん…、んー』







「はっ！？」









次の瞬間、回される腕。近づく顔。ダイレクトに感じる柔らかい膨らみ。








待て待て待て！！！これはやばい！！！朝っぱらからなんだこいつ！！！






しかも…なんかいい匂いするし…






って！！そうじゃねぇ！！！









「おい由井！お前起きろバカ！」






『…起きてる…』






「寝てんだろうがシャキッとしろ！」









これは芝居これは芝居これは芝居！！！！
ハグシーンなんて山ほどやってきたろ落ち着け俺！！！！








俺の苦闘を知らんとばかりに、にやにやしてる周りの奴らに多少なりともイラつきが生じた。

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