SJ★Ever Lasting…１１★

俺の運命 ページ2

ｷｭﾋｮﾝ『里桜らしい』

ﾋﾁｮﾙ『そんなのわかるかよ・・』

メールの真相を知った俺の大きなため息が、窓を曇らせる。

なんでメールなんだよ・・まぁ、ラジオの本番中だったから、電話じゃ出られなかったか。

ｷｭﾋｮﾝ『でもヒョン、良かったですね』

嬉しくないって言ったら、嘘になるけど。

でも、それに対しての俺の返事が

“バーカ 酔っぱらってんのか?”

だと思われてる、嬉しくない状況。

ﾋﾁｮﾙ『・・全然良くない。傷つけたし』

ｷｭﾋｮﾝ『だから、誤解を解くために、今こうして向かってるんです』

A『万が一、飛行機に間に合わなくても、日本に着いたらもう1つの携帯使うはずだから、連絡は取れると思うよ』

それじゃ、ダメだ。電話じゃ意味ない。

日本に行く前に捕まえなきゃ、意味ないだろ。

ｷｭﾋｮﾝ『進まないな・・』

A『もうすぐなのにね・・空港』

ワイパーがフロントガラスの水滴を運び去る度に、空港が見えてはまた、雨が隠す。

ｷｭﾋｮﾝ『時間、大丈夫そう?』

A『このままだと、ギリギリでアウトかも・・』

こんな、のろのろ進むくらいなら、走った方が早い。

コートのフードをかぶって、ドアに手をかけると、

A『これ使って』

傘を差し出された。

ﾋﾁｮﾙ『いい。お前濡れるだろ。キュヒョンは車にいろ。騒ぎになったら困る』

ｷｭﾋｮﾝ『わかりました』

赤信号で停まった隙に車から降りて、前後左右、どこからも容赦なく雨がぶつかって来る中、走る。

A『待ってー』

その声と同時に、走ってる俺の視界に、傘の花模様。

A『この雨じゃ、傘がないと無理だよ』

ﾋﾁｮﾙ『・・足速いな』

A『まぁね』

傘はありがたいけど、Aはチビだから、傘が俺の頭にぶつかる。

天罰にしては地味に痛くて、傘を奪う。

ﾋﾁｮﾙ『お前濡れるなよ。風邪引かせたら、ジョンスに殺される』

A『ヒチョルこそ・・里桜捕まえなかったら、私に殺されるからね』

ﾋﾁｮﾙ『・・絶対生きてやる』

傘を閉じる間も惜しくて、放り投げるようにAに傘を預けて空港に入る。

時間は?飛行機は?アイツはどこだ・・。

呼吸が速くて、肺が痛い。

それ以上に、アイツを傷つけたことで、胸が痛い。

A『あ・・』

Aが指さした電光掲示板の文字が、俺の運命を淡々と映し出していた。

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