［ONE PIECE］○○しないと出られない部屋

甘えないと出られない部屋 ページ2

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｢なんだァ？ここ｣

｢…お題をクリアすれば出られる不思議な部屋｣

｢なるほど！不思議部屋か！｣






そう言って、うんうん。頷くのはモンキー・D・ルフィ。

麦わらの一味の船長で、レティの弟だ。


扉に書かれているのは、



"甘えないと出られない部屋"



十中八九レティ"が"だろう。






｢ルフィ君｣

｢おう！何だ？てゆーかレティに会うの久しぶりだなぁ！元気だったか？｣






帽子を抑え、にしし。笑うルフィにきゅぅっと絞まる感覚のした心臓。

それに首を捻ったレティは、本能のままにルフィに抱きついた。


驚き、蹌踉けながらも受け止めた彼の首筋に頭を擦り付ける。






｢好き。好きよ、ルフィ君｣

｢…おう！俺も好きだぞ！｣

｢君は、いつもそうやって…｣






人を惹き寄せる不思議な魅力。

強く、強く。と、ただ前を歩く自分達を追いかけてくる弟の姿は、離れていても目に見える。

手に取るように、分かるのだ。


何も聞かずに、撫でてくる手はなんて、優しい。


ぽんぽん。反対の手で頭を叩かれ、背中に回した手で服を握りしめた。






｢レティ、今度絶対会いに来いよ！｣

｢うん、行く。絶対、行く｣






ごめんね、もうちょっと。


そう呟いたレティに、また、にしし。

笑ったルフィは珍しいなァ〜、なんて。






｢レティは俺等に弱いとこ見せんの嫌いだろ｣

｢嫌い、ではない。けど、｣

｢にししっ！見せてくれた方が嬉しいぞ！｣






好きだから、心配させてくれ！な！


明るく、元気な声でそう言われてしまえば、拒否権なんてものは、意味を成さない。


こくりっ。小さく頷けば、嬉しそうに笑って、ぎゅぅっと抱きしめるのだ。






｢ンでよ、レティ｣

｢何｣

｢ドア、開いてるぞ｣

｢……もうちょっと｣

｢あっはっはっはっ！おう！いつまででもいいぞ！｣






2人が部屋から出たのは、数分後か、数十分後か。






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