第二十一話 気持ちの持ち方 ページ22
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｢リアン見つけました!!｣
船に着くなりシャンクスがそう叫んで、何だ捜されてたのか、と目を瞬かせる
船縁から身を乗り出したのはギャバンで、血濡れのリアンを見るなり驚いたような声を上げた
タラップで船に上がってきたシャンクスとリアンに、全員が少なからず驚く
シャンクスとリアンにというより、リアンに、が正しいのだが
｢おま…っ！血だらけじゃねェか！｣
ギャバンがそう言うものの、リアンへ顔色を一切変えずに笑って見せた
『ほぼ全部返り血だぜ？』
これ返す、とブーツからナイフを外して渡し、シャンクスの腕が離れたのをいい事にスルリとその場から離れる
そのまま風呂場に直行し、全身についた血を洗い流した
ピリッと痛んだ頬も手も、放っとけば治るだろうと判断したリアンは、湯船に浸かった
修正力というのはこんなに遅いものなのかと些か不思議に思ったリアンは、早く直れよ、と思いながら手を握ったり開いたりしてみる
次の瞬間、シュン、と音が鳴りそうな具合に傷口が閉じ、珍しくえ、と声を漏らした
『いや、、え？』
1回じゃ足りなくてもう一度付け足し、取り敢えず頬の傷を鏡で見る
赤く線を引っ張られたそれは、怪我をしているのが分かって、先程と同じように直れと思いながら、傷を鏡の上からなぞる
『…直ったし、』
綺麗さっぱり元通りになった傷口を見て、リアンは呆然と呟いた
修正の速さは、要は気持ちの持ちようだ、という事だろう
そう自分の中で完結させて、風呂から上がる
服に腕を通して甲板に戻った時には、もう日が真上まで来ていた
｢リアン｣
欄干に腕を乗せて凭れるリアンの背中に声が掛かる
それが誰の声か分かっているので、返事をする代わりにゆっくりと振り返った
後ろには月が浮かんでいて、青白い光がリアンを飲み込んで消してしまうんじゃないかと錯覚する
ゆっくりと、けれど確実にシャンクス、と名前を呼んで
｢怪我は？｣
『直った』
良かった、と言いながらリアンの横に並んで同じように凭れるシャンクスの瞳は海を映している
代わりにリアンは内に体を向けて上を見あげ、星を瞳に映した
『朝方…風が気持ちよかったから散歩に出たら絡まれたんだ』
今日の事を聞かれると分かっていたから、そう先手を打てば、シャンクスが曖昧に頷く
心配されているのは充分承知だったけれど、リアンは自分の身の事はあまり考えていなかった
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第二十二話 重ねる日々には慣れが生じて→←第二十話 血濡れであれど
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祥(プロフ) - ティコ。さん» では番外編で書かせていただきますね。 (2018年3月30日 10時) (
レス) id: cb00cb1df7 (このIDを非表示/違反報告)
ティコ。(プロフ) - 祥さん» どちらでも、好きな方で構いません (2018年3月30日 7時) (レス) id: e878cfb355 (このIDを非表示/違反報告)
祥(プロフ) - 動物大好きさん» ありがとうございますっ 了解しました！ (2018年3月30日 2時) (レス) id: cb00cb1df7 (このIDを非表示/違反報告)
動物大好き - 内容はマルコ×夢主の話の中であった夢主がマルコに抱きついているのを見て嫉妬する感じがいいです。 (2018年3月30日 2時) (レス) id: c75e63e926 (このIDを非表示/違反報告)
動物大好き - すいません、またリクエストです。イゾウ×夢主をお願いします､番外編で書いてください｡ (2018年3月30日 2時) (レス) id: c75e63e926 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：祥 x他1人 | 作者ホームページ：http://Nano
作成日時：2018年2月15日 6時
