有栖川くんの恋愛事情【１話】 ページ3
「A〜？起きな〜」
目覚ましがわりの姉の声が聞こえる。
父と母は世界一周旅行中。姉が保護者みたいな者だ。
A「あー……」
階段を降りて行くと、甘い香りがした。
姉「今日は頑張ってパンケーキ作ってみましたっ！」
ジャジャーンと見せてきたのは何故か可愛いお皿に入ったパンケーキだった。
A「お、美味しそう……食べて良い？」
姉「ダメに決まってんでしょ！写真撮ってからね！」
お預けを食らっている間、顔を洗ったり洋服を着替えたりしていた。
A「もう食べて良い？」
キラキラした目線を送って、椅子に座る。
姉「良いわよ。あと、どうするの？やる？」
なんのことかと言うと、長くなるので後で説明する。
A「あ？ひょっひょまっへ」(訳：え？ちょっと待って)
パンケーキを食べながら喋ったら、姉にビンタされた。
姉「汚い！アンタは飯に餓えた豚か！」
A「……いひゃい……ご、ごめん、よろしく」
頬をさすりながら、頭を下げた。
姉「ふふーん、良いわよ」
姉がニコニコした顔でこっちを見ている時は、上機嫌な時だ……。
A「いや、ちょっと……優しくな？」
姉「この前は可愛く出来なかったから……たっぷりしてあげるわ！」
姉の眼が……光ってる……怖い。
姉「はい、かーんせいっ！」
A「そこまでしなくても……」
俺の今の格好は茶髪のロングで、女子生徒の制服。完全に女子だ。
姉「これで惚れないなんてありえないわ！」
可愛い〜萌える〜！とか言って写真を撮りまくっている。
何故こんなことをするかと言うと、俺は男に惚れたのである。その男の名は『高城純也』だ。
一部の人間には同性愛は許されているが、一部の人間には“おかしい”と反対されている。
『高城純也』もその一人かもしれないから、
こうして女装をして告白に挑もうとしても……恥ずかしくて、逃げてしまう。
でも、今回こそは……絶対告白する！
あと、姉はメイク、美容院を経営している。
だから、姉に事情を話すと良いわよと意外な返事が返ってきた。
姉「おーい、どうしたの？ボーッとして」
A「何でもない。そろそろ行ってくる！」
家の前で待ち伏せして、告白する！
返事が出たら、すぐに家に帰って着替えないといけないから、疲れる。
A「行ってきます！姉ちゃん……ありがと！」
姉「いってらっしゃ〜い！青春してんね」
早速高城の家へ向かう。
有栖川くんの恋愛事情【２話】→←有栖川くんの恋愛事情【プロローグ】
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作者名：アルル・エリ | 作者ホームページ：
作成日時：2018年4月27日 0時
