〇リクヲ : まだこどもだけど ページ10
▽リクヲside
「いいなぁ、ソレ」
『Aはだめだよ、まだ』
ほとんどの照明を切ってしまって、もはやテレビしか付いていない薄暗いリビングで二人。
英語音声に英語字幕の、Aがよく分からないという映画を見ながら過ごしている。
Aの視線はずっと、俺の持つビール缶。
『ねぇA、映画観なきゃ、面白いよ？これ』
「りっくんが好きな映画つまんない」
『はあ？』
年下のくせに生意気なやつ。
それでも放っておけなかったり、そばに置いていたいなんて思うのは、こいつしかいないけど。
Aはまだ女子高生だけど、俺は大学生。
バイト先で知り合って付き合って...って思い出してる場合じゃない。未成年の飲酒はだめだから、目をそらさないと。
『A、あっちにUFOいるよ』
「いなかったらお酒呑んでいい？」
ぐるっと振り向いたAに慌てて『だめだめ！！』と訂正して、頭を抱えた。
どうすれば興味をなくしてくれるんだろう。
あ、俺が今後Aの目の前で呑まなきゃいいんだ。
ていうかまず缶の中身を無くさないと...。
「...っあー！」
『っぷは、』
全て飲み干して、クラクラする頭で缶を机に置いた。
よし。もうビール缶は、この家には無い。
『ふう...これ、で、だいじょう...ぶ』
「わ！！...はぁ、りっくん...ごめんね、無理しなくて良かったのに」
思い切り仰向けで倒れてしまった俺の後頭部を、Aはファインプレーで太ももに乗せてくれた。
これがいわゆる、膝枕か...まぁ太ももだけど。
『だめ、なんだよ？未成年の、飲酒...はァ、うへへ、』
「わかった、わかったから、りっくん大丈夫？」
Aがぼやけて見える。
揺らぐ視界で、確かにAの頬に触れた。
「ん？」
『だい...好き』
「っ、りっくん...」
そこからの記憶が無かったけど、
朝起きると俺はベットの中にいて、濡れたタオルやらゆるやかに着せられたパジャマのおかげで、絶対Aと結婚しようと思った。
それにしても、あの後一生懸命俺の世話をしてくれているAの姿が浮かんで、可愛くて仕方ない...。
△
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 442人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆちゃん(プロフ) - めろんぱんさん» ありがとうございます！励みになります！引き続く予定ですが、少し時間が空いてしまう事をご了承ください。。 (2018年8月26日 13時) (
レス) id: 28a469272e (このIDを非表示/違反報告)
めろんぱん(プロフ) - 本当にすごく面白い小説で、大好きです（ ; ; ）第2弾楽しみにしてます！ (2018年8月26日 1時) (レス) id: 0ae7433c54 (このIDを非表示/違反報告)
ゆちゃん(プロフ) - ユメさん» 読んでいただいてありがとうございます( ; _ ; )そんな風に言っていただけて嬉しい限りです！少し時間を置いての第二弾となりますが、楽しみに待っていただけたら光栄です！ (2018年8月25日 17時) (レス) id: 28a469272e (このIDを非表示/違反報告)
ユメ(プロフ) - もう読み始めたら一気に最後まで読んじゃいました！ゆちゃんさんの作る話が全て私の好きな小説の感じで、次の話が毎日楽しみです！無理せず更新頑張ってください！楽しみにしてマス！ (2018年8月25日 17時) (レス) id: d3e1d985bc (このIDを非表示/違反報告)
ゆちゃん(プロフ) - 葵さん» ご意見ありがとうございます！わたしもお気に入りの作品なんです(*∩ω∩*)！強めに言われるの好きな女性、実は多いんじゃないかなぁって思ってるので(勝手に)。書いてて楽しかったです！今後ともよろしくお願いします(^O^) (2018年8月23日 14時) (レス) id: 28a469272e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆちゃん | 作成日時：2018年7月8日 20時
