アバンティーズと恋する日々

〇全員 : 甘すぎ注意！ ページ47

▽そらちぃ編


いつも通りテストで赤点を取ってしまった俺達。
先生に呼び出しくらって、進路指導室にいる。

「ねぇそら、先生遅くない？」
『忘れてやがる』

"うそ〜..." と嘆きながら肩を落とすA。
けど俺にとっては好都合なこの状況！！

『A、最近忘れてる事ない？』
「数学の宿題？」
『不正解』

首を傾げて深く考え込んだAの頭には、一分経ってもやはりそれしか思い浮かばなかったようで。

「なに〜わかんない！」
『最近ちゅーしてなくない？』

頭の上に「！」を浮かべたAの頬は桃色に染まり、次第に笑顔になっていった。

「今がチャンスって事だね」
『可愛すぎな』

すくうようにAにキスをすると、ふわりと柔軟剤の匂いがした。甘い香りに、理性が止められるわけもなく。

『「せんせーごめんなさい」』

と呟いた俺たちは、部屋の鍵を閉めて二人きりの時間を過ごした。


▽リクヲ編


「ねぇ りっくん」

既に寝ている彼の背中に囁いた。
同じ布団の中にいるのに 少し間隔のある彼との距離に、心が痛む。

「私りっくんの事大好き」
「りっくんは...違うの、？」

自分でも、段々声が震えていくのが分かった。
昨日からずっと、彼は抱きしめてもくれない、キスもしてくれない。
私と距離を置いている気がする。

「りっ...くん、」

ひとつ涙を流すと、布団がモゾモゾ動き出した。

『A』

振り向いた彼に、この暗闇の中で涙は見えない。泣いてると、重いって思われちゃいそう。。
て、さっきの声聞いてたのかな？、

『ごめん、俺もう我慢出来ない』
「...っやだ、りっくん...！やだよ、」

どこかへ行ってしまう、私に呆れたのかな？何か怒るような事したのかな？
りっくんと離れちゃうなんてそんな...。

「っん.......え？、」
『...ごめん』

重なった唇。懐かしいからか、普段より何倍も熱くて、頭がボーッとした。

「りっくん...？」
『俺実は...風邪、引いてて』
『Aに移したくなくて、距離置いてた。ごめん』
「そんな...言ってよ！看病するのに、」
『Aに移したら悪いよ...それに、この子にも』

私のお腹を撫でた彼が優しく微笑む。
あぁ、いつものりっくんだ。

「嫌われたのかと思った」
『そんな風に思わせてごめんね、』

優しく私を包んだ彼は私の背をさする。

『...よし、充電完了』

離れた彼は笑って、遠くに寝転んだ。

「手だけは繋いでいよう？」
『そうだね』

私達は手を繋いで、ゆっくり同じ夢を見た。

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