〇そらちぃ : 一目惚れ ページ3
▽ そらちぃside
「おつかれさまでした〜」
いつもならここで、サッカー部員達の波に乗って
彼女の横を通って帰ってしまう。
でも今日は違うんだ。
『A』
「おつかれさま〜なに?」
土で汚れたサッカーボールをタオルで拭いていた
彼女は、わざわざ手を止めて振り向いてくれた。
『ちょっと、話あるんだけど』
そう言うと、少し嫌そうな顔をした。
それはこの前部員がひとり辞めたからだろう。
俺がやめるのと勘違いしてるのかも。
『悪い話じゃないよ』
「宗教勧誘みたいなこと言わないでよ、あとでね」
笑いながら立ち上がった彼女は転がるサッカーボールを追いかけた。俺は同じように彼女を追いかけて、その腕を掴んだ。
「...そら?」
『待って』
「あとでって言っ、」
Aの制汗剤とシャンプーの匂いが甘すぎて、近過ぎて、酔って倒れてしまいそうになる。彼女を抱きしめながら。
「...えっ、えっ、そ、そら...」
『あのさ、俺、さ...ずっと、Aのこと好きで...
見てて...だから、』
ゆっくり体を離した先には、赤い顔をした彼女が
いた。
『俺と...付き合ってほしい』
「...っ」
『Aっ、!』
へたり込んだ彼女を再び支えると、彼女は
笑っていた。
「...まさか、そらに告白されるなんて」
『気付かなかった?』
「気付いてたよ」
『ええ!?』
「だから私から、言おうと思ってたの」
あまりの衝撃に驚いて目を見開いていると、
今度は指を指して笑われた。
「エイジからの密告」
『なっ、えいちゃんのばかやろー!!』
お腹を抱えて笑う彼女を見てると、なんだか
おかしくなってきて俺も笑った。
「でもいいじゃん、結果的にうまくいったんだし」
『...ん?てことは』
「付き合ってあげる」
『なんで上からなんだよ』
グイッと彼女を引っ張って、力強く抱きしめた。
まだオドオドする彼女に勝った気になって、
そのまましばらくそうしていたんだ。
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ゆちゃん(プロフ) - めろんぱんさん» ありがとうございます!励みになります!引き続く予定ですが、少し時間が空いてしまう事をご了承ください。。 (2018年8月26日 13時) (レス) id: 28a469272e (このIDを非表示/違反報告)
めろんぱん(プロフ) - 本当にすごく面白い小説で、大好きです( ; ; )第2弾楽しみにしてます! (2018年8月26日 1時) (レス) id: 0ae7433c54 (このIDを非表示/違反報告)
ゆちゃん(プロフ) - ユメさん» 読んでいただいてありがとうございます( ; _ ; )そんな風に言っていただけて嬉しい限りです!少し時間を置いての第二弾となりますが、楽しみに待っていただけたら光栄です! (2018年8月25日 17時) (レス) id: 28a469272e (このIDを非表示/違反報告)
ユメ(プロフ) - もう読み始めたら一気に最後まで読んじゃいました!ゆちゃんさんの作る話が全て私の好きな小説の感じで、次の話が毎日楽しみです!無理せず更新頑張ってください!楽しみにしてマス! (2018年8月25日 17時) (レス) id: d3e1d985bc (このIDを非表示/違反報告)
ゆちゃん(プロフ) - 葵さん» ご意見ありがとうございます!わたしもお気に入りの作品なんです(*∩ω∩*)!強めに言われるの好きな女性、実は多いんじゃないかなぁって思ってるので(勝手に)。書いてて楽しかったです!今後ともよろしくお願いします(^O^) (2018年8月23日 14時) (レス) id: 28a469272e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆちゃん | 作成日時:2018年7月8日 20時