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高校に向けて歩き始めた矢先、先程見送ったものと同じような黒い車が目の前に止まる。
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「おまえたちのせいでいつもより来る時間が遅くなったじゃないか!」
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そう怒りながらでてきたのはピンク髪の男の子。
隣には執事のような青髪の男の子が立っている。
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突然車が止まったことに驚き、つい凝視してしまうと、2人と目があった。
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(あれ、もしかして…)
「あ! おまえは司のところのメイド!」
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やはり、ピンク髪の男の子は姫宮家の御曹司、姫宮桃李さまだった。
ということは、隣にいるのは伏見弓弦さんだろう。
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坊っちゃまの専属メイドとはいえ、桃李様に会うのは久しぶりである。
懐かしい2人をみてつい笑みが溢れた。
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『桃李さま、ご無沙汰しております。朱桜でメイドをしている北条Aと申します』
「あれ? おまえも “北条” だったんだ〜」
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久しぶりに会ったので名乗ると、桃李様は私の名字に驚いたよう。
…北条家が朱桜家に仕えてるってこと、有名だったっけ?
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「Aさん、お久しぶりです。しばらく会わない内にお綺麗になりましたね」
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釈然とせず、首を傾げる私に伏見さんが声をかけてくれる。
伏見さんは、使用人としても尊敬できる人だ。
そんな人に褒められたことが嬉しくて意識がそっちに向く。
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『えへへ、ありがとうございます』
「ねえAがここにいるってことはもしかして…司もいるの?」
『いえ、坊っちゃまはもう教室に向かわれました』
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坊っちゃまがいると思ったようでキョロキョロとする桃李様。
いないと聞いて安心したように胸を撫で下ろす。
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お2人の関係は変わってないんだなあ、と少し悲しく、また懐かしくもあった。
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「じゃあボクたちは行くから!またね、A」
『はい!』
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時計を確認した伏見さんが桃李様に合図すると、時間を思い出したのか彼らは足早に私の元を去った。
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去る間際…礼をしてくれた伏見さんが私の方を意味深にみていたのは何でだろう…?
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ゆずは(プロフ) - ごんすけさん» えーーー!!そんなこと言ってくださるなんて…嬉しすぎます!ありがとうございます( ; ; )更新頑張りますのでこれからも応援よろしくお願いします!!!! (2022年10月13日 23時) (レス) @page33 id: a915559bd8 (このIDを非表示/違反報告)
ごんすけ(プロフ) - 尊いです好きですありがとうございます……(早口)本っ当に最高です……毎度毎度 泣きそうなくらいの尊みで息の根が止まります…(愛)作者様も作品も大好きです…泣 (2022年10月13日 13時) (レス) @page33 id: 62f4ed090e (このIDを非表示/違反報告)
ゆずは(プロフ) - ルナ(自称天才☆)さん» コメントありがとうございます!若干辛い展開かもしれないですが、最後はハッピーエンドなので楽しみにしておいて下さい〜!更新頑張ります! (2022年9月8日 13時) (レス) id: a915559bd8 (このIDを非表示/違反報告)
ルナ(自称天才☆)(プロフ) - 初コメ失礼します!この作品とても素敵だと思います。この後の展開が待ち遠しいです!ぜひ更新頑張ってください、待ってます! (2022年9月8日 0時) (レス) @page17 id: 2c52dd1a0d (このIDを非表示/違反報告)
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