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自由 ページ26

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 アザミは逃げた。人質になる事を拒んだ。だから"自由"を手に入れた。アザミは首輪を付けず、自分の為だけに生きた。好きな服も着たし、可愛らしい簪も身に付けた。甘味をたらふく食べたし、化粧もした。
 だが、未来(ソト)へは行けなかった。その先の台本(シナリオ)の主人公は、紛れも無い人質になった薊美Aだから。人質にならなかった薊美Aは過去(ナカ)にいる事しか出来なかった。
 その過去は存在していた。けど今は過ぎ去った世界。だから過去なのだ。


「つまり、この過去(ナカ)に居れる時間も限られているワケ」
「それがこの時計で管理出来るのかァ?」
「そ。この針が"十"になるまでに貴方を未来(ソト)に出さないと、私とおなじ過去(ナカ)の世界で永遠に生き続け、(しま)いには存在しない人になってしまうわ」
「それって…ヤベェんじゃねェの?」
「だから見なさいよ、コレ。まだ"五"でしょ?私と会ってまだ"五"しか経ってないって事。でも次の第三部で最後(ラスト)だし、…そうねぇ、"八"辺りで帰れるんじゃない?」

 アザミはそう言って俺に時計を見せた。

「…オイ、ちょっと待て」
「?何よ」
「お前今、"私と会って"って言わなかったか…?」
「言ったわよ?この時計の持ち主は私。つまり私と会ってから時が加算され…え、ちょっと待って。嘘でしょ?貴方、あの薊の花畑の前からこの世界に居たなんて言わないでしょうね!?」
「…その、まさかだァ」
「はぁ!?どういう事!?貴方をこの過去(ナカ)に呼んだのは正真証銘この私よ!?何で…何で私が呼ぶ前に貴方が過去(ナカ)に来れたのよ!?この過去(ナカ)に呼べる事が出来るのは薊美Aただ一人、って…あ、」
「…居るじゃねェか、もう一人」
「…ッ、まさか!」
「お前が呼ぶ前に…多分俺を呼んだんだよ。

 ────────Aが」

 アザミは全てに気付いたようだった。俺もたった今全てが繋がった。


「…と、」
「あ?」
「時計!!貴方も絶対持っているハズよ!!隊服の衣嚢(ポケット)とか今すぐ確認しなさい!!早く!!」
「お、おう」

 俺は急いで自分の隊服の衣嚢(ポケット)に手を突っ込み探した。するとズボンの方の衣嚢(ポケット)から何やら固いモノが入っているのを見つけた。

「…あった」
「数字は!?」

俺は手持ち時計を確認する。

「…"七"、だァ」



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うぇすとり?ぁー(プロフ) - 大ファンです!完結おめでとうございます!伏線回収も回想シーンも最高でした!自分はアザミちゃんが好きです。 (2021年10月3日 23時) (レス) @page48 id: 9275faa17d (このIDを非表示/違反報告)
ライアミ - めっちゃ泣けたヨ!布団がめちゃくちゃ濡れてんだけど……………ヤバいネ。感動をありがとアル!泣くことや笑うことはストレス発散になるからネ!終わりヨ! (2021年3月28日 1時) (レス) id: 2c479952a6 (このIDを非表示/違反報告)
いくま(プロフ) - 光華さん» コメントありがとうございます。光華さん、いつも自分の作品にコメントしてくださって、本当にありがとうございます!鬼滅作品を思う存分書いた後、すぐに銀魂復帰しますので、約束です! (2021年1月25日 0時) (レス) id: 611a77bbbd (このIDを非表示/違反報告)
光華(プロフ) - 完結おめでとうございます!次も鬼滅ですか!銀魂も鬼滅も好きなので!! 銀魂作品更新応援してます!何時までも待ってますんで、虚無感ゆっくり消化してください (2021年1月24日 18時) (レス) id: a571740452 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:いくま | 作者ホームページ:http  
作成日時:2021年1月18日 20時

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