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爆豪と切島の試合は猛烈な戦いが繰り広げられた。爆豪の爆破がまるで効かない個性「硬化」の切島の戦い方は優勢だと思われたが、やはり爆豪の方が一枚上手だった。全身を硬化させて気張り続けていた切島の一瞬の綻びを爆豪が見逃す筈がない。持久戦を避けていた切島だったが、隙をつかれて爆豪の爆破をモロ被りしてしまい、この試合は爆豪の勝利に終わった。これで飯田、常闇、轟、爆豪のベスト四が出揃った。
準決勝だ。飯田との試合では轟は炎を出さなかった。まだ何か迷いがあるみたいだ。飯田のフルスピードで轟を場外に持っていこうとしたが、彼の排気筒を凍らされエンジンストップ。轟の勝利に終わった。
爆豪と常闇の試合は相性が悪かった。爆発の光で黒影の攻撃が転じられないのだ。体力を補充する暇さえ爆豪は与えない。準決勝は常闇の降参により爆豪が勝った。
決勝は、爆豪と轟の戦いとなった。
決勝前の休憩が挟まれた。私は手洗いに行った帰りに偶然轟に遭遇してしまった。何か言葉でも掛けた方が良いのか分からず黙り込んでいたがバッチリ目が合ってしまい轟が話しかけてきた。
「…俺の氷結を簡単に破壊したそうだな」
「たまたまだよ」
「お前も…『全力』を出さなかったのか？」
ピクッと肩が揺れた。その言葉に反応するように私は轟を睨み付ける。馬鹿にされた気分になり、非常に不愉快だった。すると察したのか轟は少し間をあけ「…すまねえ」と一言詫びを入れた。
「いや…私も態度がキツすぎた。決勝、頑張って」
「ああ」
そう言って轟は控え室に、私は観客席に行こうと互いに背を向けた。しかしその時、私の背中から「なあ、志村」という轟の声が聞こえ思わず振り返る。
「……何？」
「お前…緑谷と小中同じらしいな。昔からあんな感じなのか？…
「…………さあ」
もう一度、背を向けた。私は眼球が乾くくらい目を見開いて、閉じた。瞼の裏に焼き付いているのは学ラン姿で今にも泣きそうな面をしながら俯いている緑谷出久の顔。
「知らないよ。私は何も知らない。ただ学校が同じなだけで……
「…アイツら？」
轟の反応も見ずに駆け出す。もうすぐ決勝だ。爆豪と轟の戦いを見逃す訳にはいかない。仮にもクラスメイトだ。どちらが勝つにせよ応援くらいはしなくてはならない。緑谷の話を深追いするのだけは御免だった。
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麗葉 - とても面白かったです！空白があると読みやすいかなと思います！ (6月19日 14時) (
レス) id: 14fd5e9416 (このIDを非表示/違反報告)
いくま(プロフ) - レオさん» コメントありがとうございます。夢主の過去は後に出てきますので暫くお待ち頂けると幸いです。これからもこの作品をよろしくお願いいたします。 (2021年12月14日 23時) (レス) id: de9f3ec973 (このIDを非表示/違反報告)
いくま(プロフ) - eggちゃんさん» コメントありがとうございます。更新頻度をあげられるよう全力を尽くしますのでこれからもこの作品をよろしくお願いいたします。 (2021年12月14日 23時) (レス) id: de9f3ec973 (このIDを非表示/違反報告)
いくま(プロフ) - のむさん» コメントありがとうございます。ファンになって頂けるなんて光栄です。これからもこの作品をよろしくお願いいたします。 (2021年12月14日 23時) (レス) id: de9f3ec973 (このIDを非表示/違反報告)
いくま(プロフ) - 猫さん» コメントありがとうございます。これからもこの作品をよろしくお願いいたします。 (2021年12月14日 23時) (レス) id: de9f3ec973 (このIDを非表示/違反報告)
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