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「心操くん場外！緑谷くん二回戦進出！！」
ミッドナイトの声が場内に響く中、心操は立ち上がった。目的である緑谷の個性を観察する事は出来なかったが、彼が二回戦に進出してくれたので次にしようと思う。入試方法が対敵の実戦式だったのが心操にとって痛手となったのだろう。彼の個性は素晴らしい。しかし単独行動はかなり向いていない。だからこそヒーロー科に落ちてしまった。やり方さえ変えれば彼はきっと良いヒーローになれる筈だ。普通科にしておくのは少々勿体ない気もした。
が、どうやらこう思っていたのは私だけではなかったようだ。彼が退場する時、同じ普通科の生徒や他のプロヒーロー達は彼を賞賛していた。拍手も送られていたので私も便乗した。きっと彼はヒーローになれるだろう。
二回戦は瀬呂と轟の試合だった。瀬呂には申し訳ないが、秒殺だった。轟の出す氷の威力は想像を超える程のもので、辺りは一瞬にして凍ってしまった。圧勝である。周りのどんまいコールを瀬呂が受ける中、轟の表情は虚しさで溢れた、とても哀しい顔をしていた。私はそれを黙って目視した。
第三試合は上鳴と塩崎だ。上鳴は試合開始の前に観客席に座る私の方に顔を向けて手を振っていた。試合に集中しろという意味も込めて私はその手を念力で強制的に下げさせた。アホ面に変わっていたが支障はないだろう。
これも瞬殺だった。上鳴は開始早々「多分この勝負、一瞬で終わっから」と放電を仕掛けようとしながらこのような台詞をほざいていたが敢えてもう一度言おうと思う。瞬殺だった。塩崎の個性は切り離しが厄介である。拘束のスピードと伸縮性の上鳴の個性が完封された。あれも厄介だと思った。
試合は次々と繰り広げられた。最初こそ退屈でこのまま早退しようか考えていた私だったが、案外白熱した戦いを見るのも悪くないと思った。そしてそろそろだったのだ。
「爆豪」
私は席を立っていた。もしかしたら初めてかもしれない。いや、かなり稀過ぎる出来事だ。私から爆豪に話しかけたのだから。私は真顔で彼の背中を見た。準備運動のストレッチをしていた彼はゆっくりと振り返る。いつになく彼の表情は真剣さに満ち溢れていた。
頬をボリボリと掻いた。ちょっとした緊張の癖だ。あまり目を合わす事無く要件だけ伝えて帰ろうと思った。
「ンだよ、クソへっぴり腰女」
「何だそのニックネームは」
「棄権したてめぇにピッタリな名前だろーが」
「…ひとつだけ言いに来たんだよ」
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麗葉 - とても面白かったです！空白があると読みやすいかなと思います！ (6月19日 14時) (
レス) id: 14fd5e9416 (このIDを非表示/違反報告)
いくま(プロフ) - レオさん» コメントありがとうございます。夢主の過去は後に出てきますので暫くお待ち頂けると幸いです。これからもこの作品をよろしくお願いいたします。 (2021年12月14日 23時) (レス) id: de9f3ec973 (このIDを非表示/違反報告)
いくま(プロフ) - eggちゃんさん» コメントありがとうございます。更新頻度をあげられるよう全力を尽くしますのでこれからもこの作品をよろしくお願いいたします。 (2021年12月14日 23時) (レス) id: de9f3ec973 (このIDを非表示/違反報告)
いくま(プロフ) - のむさん» コメントありがとうございます。ファンになって頂けるなんて光栄です。これからもこの作品をよろしくお願いいたします。 (2021年12月14日 23時) (レス) id: de9f3ec973 (このIDを非表示/違反報告)
いくま(プロフ) - 猫さん» コメントありがとうございます。これからもこの作品をよろしくお願いいたします。 (2021年12月14日 23時) (レス) id: de9f3ec973 (このIDを非表示/違反報告)
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