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あれから爆豪率いる派閥グループとは一度も昼食を取らなかった。そもそも私が食堂に行っても飲み物くらいしか頼まないし、何よりも爆豪からの威圧が凄まじい。切島はめげずに私の事を見つけては誘おうとしているがその前に風の速さで私が逃亡する。今では昼休みになる瞬間に図書室に行ってギリギリの時間まで本を読んでいる日課にまでなっていた。
そして日はあっという間に過ぎていき、いよいよ体育祭当日。数々のマスメディア達が多く集う中、体育祭日和となった晴天の下で体操服に身を包んだ私は会場の建物をボーッと見物していた。
生徒達は控え室で待機させられていた。隅の方の椅子に座って本を読んでいた時、轟が緑谷に何故か宣戦布告を申し出ていた。クラス最強と噂されている轟焦凍という男。個性は確か半冷半熱だ。体育祭如きでクラスメイトに戦いを挑む様な口調でよく言えたもんだな、と呑気な事を考えながら耳を傾けていると、その足音がだんだんとこちらに近付いて来る。もしやと嫌な予感がしたが、やはり予感は見事に的中。視線を小説から上に向けると先程まで緑谷と話していた轟が私の元にやって来ていたのだ。
「……何か」
「お前もだ、志村。USJの時、先生と同じくらいの怪我を負っていたのにお前だけは最後まで立っていた。個性もすげぇと思った。絶対に勝つからな」
「…ああ、そう」
勝手にしろよ、と言おうと思ったがやめておいた。轟の後ろの椅子に座っている爆豪も私の方を静かに睨んでいた。二人して私なんぞを敵対視しても多分時間の無駄だろう。皆は勘違いしている。私は別に優秀者でもないしトップになりたい訳でもない。勝ちにいきたいとも思わない。
私は仮免試験で仮免許を摂るためだけにヒーロー科に来た。個性を使う許可を貰えば、何時でもクソ
それ以外は興味無い。ましてや体育祭に気合いなんてない。プロヒーローにアピールする気もない。つまり、だ。
「期待するもんじゃない」
「……は」
「あ…いや、轟に向けて言ったわけじゃ」
慌てて訂正しようとしたが、轟は控え室を出ていってしまった。まあ弁解する必要もないかと思い、手に持っていた小説を鞄の中にしまってロッカーにぶち込んだ。そろそろ入場の時間だ。
言い忘れていたが怪我は完治した。ほぼリカバリーガールのおかげと言っても過言でない。私は久しぶりに右手の指を動かして入場待機場所へと並んだ。爆豪とは最後まで話さなかった。
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麗葉 - とても面白かったです！空白があると読みやすいかなと思います！ (6月19日 14時) (
レス) id: 14fd5e9416 (このIDを非表示/違反報告)
いくま(プロフ) - レオさん» コメントありがとうございます。夢主の過去は後に出てきますので暫くお待ち頂けると幸いです。これからもこの作品をよろしくお願いいたします。 (2021年12月14日 23時) (レス) id: de9f3ec973 (このIDを非表示/違反報告)
いくま(プロフ) - eggちゃんさん» コメントありがとうございます。更新頻度をあげられるよう全力を尽くしますのでこれからもこの作品をよろしくお願いいたします。 (2021年12月14日 23時) (レス) id: de9f3ec973 (このIDを非表示/違反報告)
いくま(プロフ) - のむさん» コメントありがとうございます。ファンになって頂けるなんて光栄です。これからもこの作品をよろしくお願いいたします。 (2021年12月14日 23時) (レス) id: de9f3ec973 (このIDを非表示/違反報告)
いくま(プロフ) - 猫さん» コメントありがとうございます。これからもこの作品をよろしくお願いいたします。 (2021年12月14日 23時) (レス) id: de9f3ec973 (このIDを非表示/違反報告)
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