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全ての授業が終了した。各自下校の支度をしている中、私もグレーのマフラーを首に巻いて鞄を手に持った。そして教室から出ようとした時、教室の奥でまたしても爆破音が響く。爆豪が緑谷のノートを燃やしたのだ。表紙には「将来の為のヒーロー分析」と書かれてあった。ご丁寧に何冊目かの数字まで記されたそのノートは爆豪の手によってボロボロにされてしまっていた。あれはいじめに値するのではないだろうか。正義感の強い人間なら止めに入るだろうが、生憎私にそんな感情は持ち合わせていない。緑谷には悪いが見て見ぬふりをさせてもらおうとする。
しかし、何とそのノートは窓から放り投げ捨てられた。
思わず口が半開きになる。あそこまでするのか、と一周まわって関心さえしてしまった自分がいた。爆豪は目こそ笑っていないが口角を上げたまま緑谷の肩をポンと叩き、雄英を受けるなと再度忠告をしていた。捨てられたノートは校庭の隅にある濁りきった池にプカプカと浮かんでいた。あれはもう使い物にならないだろう。
「あ、そんなにヒーローに就きてんなら効率良い方法があるぜ」
ふと、思い出したかの様な口調で爆豪は緑谷の方に顔を向けた。すると爆豪の口からとんでもない提案が放たれたのだ。
「来世は『個性』が宿ると信じて屋上からのワンチャンダイブ！！」
笑っていた。爆豪は馬鹿にした様な表情を浮かべて緑谷にそう言い放ったのだ。手に持っていた鞄を机に置いて私は静かに爆豪の方に近付き無意識に口を開いた。
「それ、良くないよ」
あ、しまった、と。気付いた時にはもう遅い。爆豪は目を見開いて私の方に視線を移し、被害者である緑谷も驚いた様な顔を浮かべていた。私は真顔のままだったが内心自分のした行動に驚いていたと思う。でも本当に今の言葉は良くなかった。命を粗末にしてはいけない。緑谷が可哀想だとか、爆豪が酷過ぎるとか。そんなのはどうだっていい。私には無関係なのだから。しかし、命を簡単に投げ捨てる行為を提案するのは宜しくない。ヒーロー以前に「人」として宜しくない。
案の定爆豪は手に小さな爆発を起こさせながら私の方を睨み付けていた。構わず私は机に置いた鞄を手に取って帰ろうとする。これ以上厄介事に巻き込まれるのは御免だ。
「オイ、今なんつった？」
爆豪は私のマフラーの端を掴む。首が締まりそうになったが私は構わず無視を続けた。爆豪はブチ切れながら私に釣っかかろうとしたが周りがそれを全力で止めた。
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麗葉 - とても面白かったです！空白があると読みやすいかなと思います！ (6月19日 14時) (
レス) id: 14fd5e9416 (このIDを非表示/違反報告)
いくま(プロフ) - レオさん» コメントありがとうございます。夢主の過去は後に出てきますので暫くお待ち頂けると幸いです。これからもこの作品をよろしくお願いいたします。 (2021年12月14日 23時) (レス) id: de9f3ec973 (このIDを非表示/違反報告)
いくま(プロフ) - eggちゃんさん» コメントありがとうございます。更新頻度をあげられるよう全力を尽くしますのでこれからもこの作品をよろしくお願いいたします。 (2021年12月14日 23時) (レス) id: de9f3ec973 (このIDを非表示/違反報告)
いくま(プロフ) - のむさん» コメントありがとうございます。ファンになって頂けるなんて光栄です。これからもこの作品をよろしくお願いいたします。 (2021年12月14日 23時) (レス) id: de9f3ec973 (このIDを非表示/違反報告)
いくま(プロフ) - 猫さん» コメントありがとうございます。これからもこの作品をよろしくお願いいたします。 (2021年12月14日 23時) (レス) id: de9f3ec973 (このIDを非表示/違反報告)
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