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関係ない。その一言に尽きた。硬い脳をフル回転に動かし、柔軟性に欠けていた頭を使った結果、どう考えても関係ないという結論にしか至らなかったのである。
タイミングが良いのか悪いのか、こんな状況下で私と彼の間に頼んだおはぎと餡蜜が置かれた。セットの飲み物として頼んだ彼の抹茶と私のほうじ茶の氷がカランと音を立ててその場に並ぶ。目の前に置かれた餡蜜の中にある白玉は艶々と照り輝き、真ん中に堂々と佇む真っ赤なさくらんぼが生き生きとこちらを見ていた。
今の雰囲気とまるで似つかわしくないくらい、その餡蜜はひと口食べるだけで甘さが口の中に充満してしまう。彼のおはぎもきっとそれくらい甘いのだろう。このお店の餡はどうにも心まで溶かすくらい濃厚だ。
ああ、何故私達は今こんな所でお茶をしているのだろう。何処からこんな空気になってしまったのだろうか。そうだ、全ての元凶は私だ。私があんな事を言ってしまったから、結局私のせいなのだ。
ふと、目に映った腕時計の針が止まって見えた。この現象をなんと呼ぶのだろうか、思い出せない。ああそうだ、クロノスタシスだ。こんなくだらない事は頭からすぐに出てくるのに彼にかける言葉はやはり出てこない。恋愛なんかよりも先にコミュニケーションを学んでおけばよかった。大失敗だ。
「美味いだろ、此処の餡蜜」
思わず、顔を上げた。それはもう盛大に。なんてったって、彼が急に話しかけてくれたのだから。先程までの重苦しい空気が嘘みたいに、ニッと白い歯を見せて切れ長の瞳をくしゃっとさせて笑っていた。
「…美味しいです。ほんとに、冗談抜きで、今まで食べた餡蜜の中で、一番」
ぎこちなく、それでもしっかりと。嘘偽りのない言葉をちゃんと伝えようと必死に口を動かす。もっとちゃんと頑張ってくれ、私の声量。
残していたさくらんぼを食べた。今までの甘さとは少しばかり違う、口に広がる甘酸っぱい味。嫌いじゃない。種を器用に出して皿の隅に置き、私はもう一度彼の方へ顔を向けた。おはぎを食べている彼は不思議そうな表情のままこちらを見ている。
「私、根っからの真面目なんです」
「…は？」
「今までの人生で寄り道なんてした事ないし、趣味は参考書を読む事だし、休日は図書館に居るし、手持ちの面白い話なんてひとっつも！ない！！」
「…し、志崎？」
スプーンを置き、今まで溜め込んだ悶々とした意見を水を得た魚の様に吐き散らす。それを見て驚いている彼。
「でも！」
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いくま(プロフ) - 紅乱さん» コメントありがとうございます。返信が遅くなってしまい申し訳ございません。表現力や語彙力はまだまだ乏しい段階ではございますがこんなにも褒めていただき光栄です本当にありがとうございました、、！！ (2022年4月8日 13時) (
レス) @page49 id: de9f3ec973 (このIDを非表示/違反報告)
紅乱(プロフ) - 月並みな感想になってしまいますが本当に本当に面白かったです！作者様の語彙力、表現力が凄まじいのもあり完全に時間を忘れて物語にのめり込んでしまいました。素晴らしいお話をありがとうございました！！ (2022年2月25日 16時) (レス) id: f1236c4d6f (このIDを非表示/違反報告)
いくま(プロフ) - ぽてちさん» コメントありがとうございます！！そして面白いと言っていただき本当に嬉しいです😭最後のイラストまで見ていただいて、、、落書き程度のイラストですが本当にありがとうございます。ギャグ線全開の夢主でしたが、最後までお付き合い頂きありがとうございました、、！ (2022年2月8日 23時) (レス) id: de9f3ec973 (このIDを非表示/違反報告)
いくま(プロフ) - 光華さん» 光華さん！お久しぶりです！！そしてコメントありがとうございます！いつも読んでくださって嬉しい限りです😭いつもありがとうございます、、！ (2022年2月8日 23時) (レス) id: de9f3ec973 (このIDを非表示/違反報告)
いくま(プロフ) - 雪見だいふくさん» コメントありがとうございます！そして最後までお読み下さり本当にありがとうございました！恋愛よりもギャグをとったこの作品でしたが、楽しんでもらえて光栄です！！！😭 (2022年2月8日 23時) (レス) id: de9f3ec973 (このIDを非表示/違反報告)
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