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「じゃあA頑張ってね!」
「いや何を」
友達は私が乗る電車とは違う電車に乗り手を振って別れた。別れの際「不死川君の反応教えてね!」と言われたのだがどうしたらいいんだろう。
「……色気、かあ」
小さな声で、マフラーに顔を埋めながらそう呟いたのだった。
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自宅のアパートに着いてドアを開けると彼はもう既に帰宅していた。
「さねみんただいま〜」
「おー」
手を洗い、トートバッグと紙袋を床に置いてソファーに思い切りダイブする。もう眠気がここまで来ていたからだ。さねみんはキッチンで温かいお茶を淹れてくれてこちらへ来た。
「なんか買ったのかァ?」
「え?」
色違いのマグカップを2つテーブルに置いて彼は私にそう聞いた。何の事だと一瞬思ったが紙袋が床に堂々と置いていた事に今更ながら気付いてすぐさま紙袋を取り「そう!服買ったの!!」とあからさまに叫んで自室にバタバタと持っていった。
「……はァ?」
遠くからさねみんの腑抜けた声が聞こえたのは言うまでもない。
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「…」
あの後さねみんと2人でいつものようにスーパーに買い物に行き、夕飯の食材を買って主にさねみんが調理をして夕飯を一緒に食べた。
そして風呂先入れと彼に言われて私はお風呂に入った。その後、素っ裸で見つめるのは本日買った高い下着。
「…うーん」
着けるべきか、否か。いやいやまず着けた所で彼に見せるの?え、見せるってどうやって?パジャマ脱いで「見て見て〜」とでもほざけばいいの?え?
そうこう考えている間にも体は冷えていく。寒さに耐えきれず私はせっかく買ったんだから着けちまえと思ってタグを切り、黄緑色のレースの可愛らしい下着を身に付けたのだった。
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そして、夜。そう言えば私達、ベッド同じだった。今の今まで何も感じていなかったけど、確かに言われてみれば私達恋人なのに何もせずのほほんと1年間過ごして同棲までしてるのに健全に何も運営してないとか何事なんだろう。
待て、そうなったのも何か原因があるはず。今までの生活を考えてみろ。
──お風呂上がったよ〜
──了解、俺も入るわァ
──あと3秒で眠る体制入ってるんだけど
──髪乾かしてやるからそれまで待て
──zzzz
──寝るの早すぎんだろォ
「…」
──おいA
──zzzz
──Aさァ、今日の夜
──zzzz
「…あれ」
原 因 私 や ん
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ポンコツ(プロフ) - すっごいドンピシャに好きな作品でした!! (2022年11月8日 18時) (レス) @page45 id: 16f55af0f9 (このIDを非表示/違反報告)
澪奈(プロフ) - 完結おめでとうございます!とっても面白かったです!!次回作も楽しみにしています! (2021年3月9日 21時) (レス) id: 20f17d6d24 (このIDを非表示/違反報告)
凪子(プロフ) - さねみんなら、一生お世話されたい!!楽しい作品だったぜィ(^^) (2021年3月9日 21時) (レス) id: 33c3d87eb8 (このIDを非表示/違反報告)
蓮(プロフ) - 完結おめでとう!!とにかく可愛らしくて勝手に2人の保護者面して見守っておりました…。ゆっくりと2人のペースで進んでる姿が本当に見えてきてこの先も笑い合っていくんだなって思うと本当に素敵な2人!最高なお話をありがとう!次回作もゆっくり頑張ってね!!! (2021年3月9日 20時) (レス) id: 1ceb99e799 (このIDを非表示/違反報告)
いくま(プロフ) - もしゃこうさん» コメントありがとうございます!この作品を最後まで読んでくださり本当に嬉しいです、、!次回作も見てくださるんですか!?ええ嬉しい涙ありがとうございました、! (2021年3月9日 20時) (レス) id: de9f3ec973 (このIDを非表示/違反報告)
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