体力 ページ6
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「オイA」
「……」
「聞こえてんだろさっさと出やがれ」
「……」
「お、何してんだ不死川」
教室に入って来て早々に目を向くのは不死川が誰かに怒っている光景。何となく相手は分かっているが。
「あァ?宇髄、テメェも手伝え」
「どうしたんだよ」
「Aが今日の体力テストを
「ド派手に地味な事してるな」
机の下に頭を下げて覗くと身体を縮こませて
「よぉA、元気そうだな」
「どこをどう見たらこれが元気そうなのか3文字以内で説明して欲しい…」
「字数制限厳しくね。で、何してんだ?」
「避難訓練の訓練」
「ん"〜ややこしいッ」
「訓練に訓練なんてあるかァ!」と隣に居る不死川が叫ぶ。今日も通常運転でコイツはド派手に怒っているな。
「そういや今日体力テストだな」
「高校最後だぞォ、絶対トップ勝ち取ってやる」
「ド派手に燃えてんのはお前くらいだよ不死川。Aを見てみろ」
そう言って俺はもう一度しゃがんで不死川に聞こえる様にAに話しかける。
「A、今日体力テストだな」
「滅べ」
「去年より伸びてるといいな」
「バ○ス」
「頑張って記録更新しようぜ」
「今年の目標は世界征服、からの全国一斉体力測定廃止令発布」
秒殺で俺の言葉をへし折り、俺は不死川の方へ顔を向けた。
「な?」
「な?じゃねェんだよ」
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「クラス単位で各々好きな種目から測っていって下さい」
体育科の先生の声で俺達は一斉に各自種目の方へ行き体力測定を行う。普通は男女別だが1組2組3組が合同の為男女混合で適当に測れとの事。
「不死川ー、神崎の世話頼んだぞー」
「ウッス」
「今年もド派手に頼まれてるなぁ不死川」
そう、これは毎年恒例。3回目の体力テストなのだ。体育科の先生方もAが極度の体育嫌いなのは当然把握済。そして3年間彼女と同じクラスの俺が毎年逃げようとするAを引き止め無理矢理測定させる係なのも恒例行事であった。
「オイA、逃げんなよ」
そそくさとジャージを顔に填めて逃げようとするAの肩をガシッと掴む。
「理解不能だ」
「あ?」
「何でわざわざ毎年測るの」
「成長期だからだ」
「絶対私退化期だから間に合ってるよ」
「何だ退化期って」
そう言ってAのジャージを掴み連行する。大人しく連行されるAは顔を俯かせながらまた口を開いた。
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うぇすとり?ぁー(プロフ) - 前編読み終わりました!いくまさんのギャグセンス最高でした!へいたくしーが前編の最後のシーンでは言えなくなってしまう甘酸っぱい展開最高でしたっ! (2021年10月13日 22時) (レス) @page50 id: 9275faa17d (このIDを非表示/違反報告)
最高 - これはッ!!!絶対にもッッッッと伸びるべきです(迫真)本当に面白いです可愛いです最高です (2021年3月18日 16時) (レス) id: f0ef8aefa1 (このIDを非表示/違反報告)
いくま(プロフ) - ルナさん» コメントありがとうございます。最初、田中くんの漫画を読んでこんなヒロインを書きたいなと思い執筆させて頂きました。お気付きになられたとは笑これからの展開はオリジナルが多いのでお時間あれば続編も是非ご覧になって下さいね! (2021年2月27日 23時) (レス) id: de9f3ec973 (このIDを非表示/違反報告)
いくま(プロフ) - yuenさん» コメントありがとうございます。作品を好きと言って下さり嬉しい限りです……!続編もよろしくお願いいたします! (2021年2月27日 23時) (レス) id: de9f3ec973 (このIDを非表示/違反報告)
ルナ - 田中くんはいつもけだるげだ!! (2021年2月27日 14時) (レス) id: 72ff3a10a5 (このIDを非表示/違反報告)
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