彼氏 ページ34
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「そりゃ派手に彼氏だな」
「かかかかかからし?」
「動揺が派手にすげぇなオイ」
Aが宇髄に呼び出しLI〇Eをして数十分経った頃、宇髄天元は私服姿で学校近くのス〇バにやって来た。
イケメンなアイツがレジ前で注文する姿は注目の的。男の俺でも振り向く程の美貌を持ったあの男はアクセサリーを身に付け、高校3年生とは思えないくらいの大人じみた笑顔と共に新作のドリンクを受け取っていた。
店員の女子大学生の頬は赤く染まり、アイツが貰うカップには"TENGENさん"と言った宇髄の名前が毎回と言っていいほど書かれる。たまに"かっこいいですね♡"とか書かれる時もあるからやはりアイツのイケメンは世界共通なのだろう。中身は派手好きのただの馬鹿なんだが。
それより、宇髄が来るなら新作を頼まなければ良かった。抹茶にチョコソース追加とかにしておけば良かった。
宇髄はいつも新作を頼む。理由は一番ド派手だから、らしい。だが頼んで写真撮って何口か飲むけどいつも飲みきれず俺にくれる。甘党の俺からしたら余裕だからだ。だから俺はあえて新作を頼まず抹茶やキャラメルにしている。で、ス〇バ事情はこの辺にしておいて本題に戻ろう。
「かかかからしってやっぱりあの美少年はアオイの…、いやいやいや」
「否定すんな、現実を受け止めろ。あと彼氏な」
Aの肩をポンッと叩いて慰める宇髄。動揺を隠せない様子でガタガタ震えているA。異様な光景である。
「…アオイが。私のアオイが…、え、まだ中3だよ?え、世間の中3ってそんな中3してんの?え、ちゅっちゅしてんの?え、中3ってもしかしてCHU3って意味だったの?もうちゅっちゅっちゅくらい余裕なの?え?」
「落ち着けA、お前妹の事になるとド派手にポンコツになるな」
焦点が合わないAを軽く落ち着かせて俺は溜息をついた。コイツがシスコンなのは知っていたがここまでとは。まァいつも世話してくれてしっかり者の妹だからこそショックが大きかったのだろう。
「…アオイが…彼氏、か」
「まぁ中3の恋愛なんて遊びだよ遊び。そこまで深く考える必要もないぜ」
宇髄がヘラヘラと笑いながらAの背中をバシバシ叩いて無理矢理慰めていた。しかしその言葉を聞いた瞬間Aの目の色が変わる。
「…遊び?」
あーあ、怒らせたなァ。
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うぇすとり?ぁー(プロフ) - 前編読み終わりました!いくまさんのギャグセンス最高でした!へいたくしーが前編の最後のシーンでは言えなくなってしまう甘酸っぱい展開最高でしたっ! (2021年10月13日 22時) (レス) @page50 id: 9275faa17d (このIDを非表示/違反報告)
最高 - これはッ!!!絶対にもッッッッと伸びるべきです(迫真)本当に面白いです可愛いです最高です (2021年3月18日 16時) (レス) id: f0ef8aefa1 (このIDを非表示/違反報告)
いくま(プロフ) - ルナさん» コメントありがとうございます。最初、田中くんの漫画を読んでこんなヒロインを書きたいなと思い執筆させて頂きました。お気付きになられたとは笑これからの展開はオリジナルが多いのでお時間あれば続編も是非ご覧になって下さいね! (2021年2月27日 23時) (レス) id: de9f3ec973 (このIDを非表示/違反報告)
いくま(プロフ) - yuenさん» コメントありがとうございます。作品を好きと言って下さり嬉しい限りです……!続編もよろしくお願いいたします! (2021年2月27日 23時) (レス) id: de9f3ec973 (このIDを非表示/違反報告)
ルナ - 田中くんはいつもけだるげだ!! (2021年2月27日 14時) (レス) id: 72ff3a10a5 (このIDを非表示/違反報告)
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