7人の極道。…参

◆北山 ページ5

「それなら、俺は藤ヶ谷組を継がない。」



藤ヶ谷がとんでもないことを言い出した。



藤ヶ谷組の組長や若頭補佐でもある横尾が
フリーズした。




「俺は、玉を……

玉森組の窮地に、手を貸してやりたい。

親父達が来る前に話したが、
俺は、ここにいる北山に命を救われた。」


藤ヶ谷組の組長が、俺を睨み付ける。


「命を救われただと？

足を怪我してるじゃないか！！」


「北山がいなかったら、

俺は頭を撃ち抜かれてた。死んでたよ。」


藤ヶ谷が俺を見つめて、隣に並んできた。



「それに、宣言しておくことがある。

俺は、北山宏光に惚れてる。

惚れてる奴の役に立ちたいと思うのは
当然だろ？」



藤ヶ谷がグイッと俺を引き寄せた。




そんな宣言……

今、このタイミングでするのはヤバいだろ。

見ろよ。

うちの組長はともかく、

お前の親父さん、すげー顔してるぞ。


そう思う半分、

少しだけ……照れくさくて。

少しだけ……嬉しいと思ってる俺も大概だ。




「……とにかく。俺は、玉を助けたい。

これ以上、
口出しするなら俺は藤ヶ谷組を継がない。」







藤ヶ谷はハッキリと自分の意思を伝えた。

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