7人の極道。

●藤ヶ谷 ページ25

カクテルを

ゆっくり飲み干す北山を見つめる。


毎日通い続け、ようやく再会できたのに

北山は玉森組の若頭の話をする。

酒はそこまで強くないのか、

少し高揚した表情で。

生演奏のジャズに耳を傾けていた。




『……噂には聞いてるぜ。

玉森組の坊っちゃんは
組を継ぐ気がないらしいな。』




「・・・継がせるさ。

裕太には素質がある。
その気になれば
今以上に組を大きくできる…。」





“裕太”・・・。

その呼び方に。その表情に。

沸々と沸き上がる、この感情。





『……坊っちゃんに言っとけ。

“俺は、欲しいものは何としてでも手に入れる”
ってな。』




俺の言葉に。

北山は不敵な笑みを浮かべる。





「欲しいもの…か。

藤ヶ谷組のNo.1としての称号か？

それとも・・・俺か？」





挑発的に俺に顔を近づけてきた北山の顎を

クイッと上げる。

視線が絡み合う。

その瞳・・・。ゾクゾクする。



視線は反らさずに、

北山の背広の胸ポケットに

連絡先を書いた紙を入れる。









『・・・両方だ。』

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