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あの時、裕太に唇を重ねようとした時も…
蘭と似ていたから。
裕太が宮田と仲良くなるのを受け入れたくなかったのも…裕太を取られたくなかったから。
自分から離れておいて裕太を蘭と重ねてた。
床の中で愛しあった蘭との想い出は……
もう消していた。
『‥‥また墨が増えてる』
着物の襟から覗く黒い墨を見てタメ息を漏らす。
蘭は昔から辻斬りをしていた。
俺はそれをわかっていたのに
蘭から離れることが出来なかった。
蘭は人を斬った数だけ墨を入れていた。
その墨が増えたとゆうことは、
俺の知らないところで蘭はまた手を染めたとゆう意味。
それでも俺は蘭を愛していた。
だけど、人斬りだけでは物足りなくなった蘭は
俺にも手を上げるようになった。
俺が稼いだ泡銭はいつも蘭が酒と女に使って消えていた。
その日も痣だらけな身体を抱え、俺は大奥の門を叩いた。
蘭がよく話していた、母親が住まう大奥。
蘭は望まれて生まれた子ではない。
蘭が大奥に入ることは絶対にない。
だから、あえて蘭から逃げるために俺は大奥に入った。
それから月日が流れ、
大奥総取締に就いてしばらくした後に、
蘭と裕太の母……先代の上様が亡くなった。
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作者名:いっぽちゃん | 作成日時:2023年4月13日 20時