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✿123 ページ29
大奥を焼き払い周りは煤だらけになってきた。
周りも負傷者が多いが浮浪者を縛り
事態は一段落したかに思えた。
ぐるりと周りを見渡すが
横尾さん、それにニカと千賀もいない。
あいつら何処に行ったんだ···？
「…宮田！！！」
藤ヶ谷の声の方を向くと、
そこには宮田が立ち竦んでいた。
着物はベタベタでまるで水浴びをしたかのよう。
下を向いている宮田に嫌な予感がする。
『……宮田？上様はどうした？』
藤ヶ谷が羽織を宮田に被せる。
「……申し訳ありません。その…っ…」
何かを察した藤ヶ谷が俺を見る。
『このままじゃ風邪を拗らせる。
藤ヶ谷、宮田を重湯に。
俺は家臣達にこの場を任せてくる。』
宮田の疲労感が拭えぬ表情を見て
計画通りに行かなかったことを悟った。
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作者名：いっぽちゃん
| 作成日時：2023年4月13日 20時
