i・ko・i [12/25更新] (ページ4)

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別れ話をしてからの方が最低ねと、更に呆れるお姉ちゃん。

ほな、うちに住めば？と俊ちゃんが言う。

お姉ちゃん達はマンションを購入した途端に俊ちゃんが大阪へ転勤になり、誰も住んでいないマンションを所有している。
確かに、すぐに暮らせる手筈が整っている。落ち着くまでそこに住ませて欲しいと言うと、

俊介『ああ、ちゃうねん。オレ、今以上の給料を保証するってことで声掛けがあってさ。ヘッドハンティングってやつ？それでこっちで転職してん。

そろそろ子供のことも考えたいし、家も、って思って。

そうや、志穂がおめでたでさ。な？』

俊ちゃんがお姉ちゃんを見遣る。

「うそ！おめでとう！

ごめん、言いにくかったよね？こんな話の後だから。

でもお姉ちゃんの子供は別物だよ！だって誰もが祝える(笑)」

お姉ちゃんは痛々しそうにうんって笑う。

ああ、それで、Aが住みたいなら住めばいいよってマンションの話に戻る。
聞けば、今の家賃と変わらない金額で駅近コンビニ付きに住めるって言うじゃない。

いいの？と聞くと、

志穂『寧ろ、Aが住んでくれたらありがたいよ。売るにしても、安定期に入らなきゃ売却の手続きも出来ないから。
家賃として貰えると逆に助かるの。鍵、お母さんが持ってるから。だからちゃんとお父さんとお母さんにも話しなさい？』

俊介『潤くんには？』

「言えると思う？(苦笑)電話だと更にマズいよ」

まあそうよねとお姉ちゃんは苦笑い。

潤くんは四つ上の、私たちを溺愛してる従兄弟。

私たちの母親の薫子と潤くんの母親の緑子ちゃんは一卵性の双子でめちゃくちゃ仲良くて、昔は隣同士の部屋を借りてほぼ同居、ほぼ三人兄妹って感じで一緒に育った大事な家族。

今は仕事で北欧に居る。

俊介『優人、帰国した潤くんに殺されたらええねん。

しっかしアレやな。優人、親に謝れって話やん。"優しい人"って名前貰たのに全然優しない。ま、そんなんに育てたん、親やけど』

潤くんへの伝え方は気を付けないと、ほんとに優人くんの身の危険に繋がりかねないわよねってお姉ちゃんは笑う。

やっと、一人目にしたって言い出しにくかったことを家族に報告出来て、少しホッとして眠りについて、朝になって遅めの朝食を済ませてからお土産を買って新幹線で帰京した。

実家で私の話を聞いた母は泣き、父は言葉を失った。