i・ko・i [12/25更新] (ページ20)

今日:3 hit、昨日:6 hit、合計:43,167 hit

20* ページ20

「ま、要するに遅かれ早かれ終わる未来が待ってたなら、籍を入れる前で良かったのよ。きっとね？

私、甘え下手らしいし。

自立した、対等な関係で負担を掛けたくないと思ってたのが裏目に出るなんてね、ちょっと自信無くした」

痛そうな顔で櫻井くんは私を見遣る。

櫻井『無理するなよ・・・』

「無理はしてないよ」

本当に無理はしてない。だって、私、悲しくなっても涙までは出てないの。
あの日・・・会社で泣いちゃった日から優人のことで泣いてない。

一緒に過ごして楽しかった過去は否定したくない。
でも見る目は無かったよね。
そんな風に今は思える。もう恋愛はいいかな。信じられない。
そんな、他の女の存在ごときで壊れてくような関係は信用出来ないって、ある意味、危機管理体制は強化されたって感じかな。

まぁな・・・と櫻井くんは納得してなさそうな顔で私を否定はしなかった。

櫻井『てかオレ、ひとつ引っかかるんだけど』

「なぁに？」

櫻井『おまえ、甘えるの下手か？

オレは寧ろ、おまえすげぇなっていつも思ってるんだけど』

何で？(笑)

何かを頼まれて断れないのが私と二宮くんらしく、それを嘆くときに"男の二宮、女の藤野"っていう謎のキャッチコピーがあるらしく。

はぁぁ、出たよ。"男の二宮、女の藤野"だよ、マジであいつら恐ろしい・・・あいつらに頼まれたら断れずに自分が追い込まれる羽目になるだよってのが使用例らしい。

なんてコピー作ってんのよ。

しかも二宮くんはそれを知ってて、引用しながら頼み事をしてくるって、確信犯じゃない(苦笑)。

私は無実だから！と言うも、いや、山崎も織田も言ってるから！何なら営二のメンバー全員言ってるからおまえはクロだ。自覚が無いだけ！

ま、おまえら二人とも、出来る範囲と分かってて頼んでくるから、こっちも何とか処理出来る訳で、それでついつい受けちまうんだよと話す櫻井くん。
山崎なんか"もう！A先輩に頼まれたら断れないんですから！"って言いながら、次の女子会ではオムライスをリクエストするんですーって嬉しそうだからな！って？(笑)

ああ、美緒ちゃん、私のオムライスで釣れてたのか。かわいいな、また釣ろっかな？(笑)

櫻井『おい、ついでにオレも飯で釣れ。

オレ、料理出来ねーだろ？こんな簡単に釣れるヤツ居ねーぞ？

料理できるヤツは男女問わず神だわ』