彼が消えて早5年。今私は...6【降谷零・安室透】

232.side降谷 ページ34

「まず貴様だ。...バーボン。」








その声と共に向けられた銃に、ハッと息を呑む。脳裏によぎったのは、Aと子供達の姿だった。









そして引き金が引かれる直前。








何処からか発砲され、照明がガラガラと音を立てて落ちてきた。








「なんだっ！？？どうした」






「ライトが！」






その隙をついて脱出を試みるも、扉を開けるわけにはいかず、倉庫内に隠れることしか出来なかった。







「キール、バーボン！動くな」






ジンの声に、ベルモットがキールと俺がいた場所を携帯の明かりで照らした。








「あっ、バーボンが居ない！！逃げたわ。」







俺がいないことがバレた。これでは、まだ倉庫内に居ることもすぐにバレてしまう。







その時、バンッとドアが何者かに蹴破られて人が走り去る音が聞こえてきた。









ジンはウォッカにそれを追わせ、ベルモットと2人何やら話し始めた為、俺はその隙をついて倉庫内から脱出することに成功した。







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倉庫から脱出した俺は、その場から取り敢えず見つからないであろう距離まで走りつつ、風見が向かっているはずの水族館の方へ向かう。









途中で電話ボックスを見つけ、風見に連絡を取れば、どうやら順調に進んでいるらしい。









風見に、女性がキュラソーであることや、透流の考察通り恐らく色が関係しているであろうことなど必要事項を伝えて電話を切った。









電話ボックスを出て、水族館への道を急ごうと走り出せば、なにかにクラクションを鳴らされた。振り返れば、そこに居たのはタクシーで。









「君、乗せてってあげるよ。急いでるんだろ？」









ニヤリ、と笑ったその人は俺を教育して退職した、今でも尊敬している元上司だった。

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