221.sideキュラソー ページ23
ふわりと意識が浮上し、目を開けるとそこに写ったのは、最後に見た景色ではなく、白い天井だった。
順に記憶を辿り、子供たちと観覧車に乗って気を失った所までを思い出した。
しかし、気を失った理由と、その時呟いた言葉を思い出すことが出来ない。
思い出そうとするとズキン、と痛む頭に、今はやめておこうと頭を振る。
まだ朝方で人がいない為、医者を呼ぶべきかどうか迷っていると、何処からか鼻を啜るような音と共に足音が聞こえてきた。
...ズッ...ヒック...ヒッ......
パタパタ、と言う足音の軽さから、恐らく子供だろう。そう推測していると、聞こえていた足音が突然止んだ。
止まったのだろうか?
なんだか放っておけないと思い、点滴の繋がれた支柱のようなものを引きずって、泣き声の聞こえる方へと向かえば、しゃがみこんで泣いている女の子が見えた。
「大丈夫?」
「...ッ...!!」
掛けた声に、バッと顔を上げた女の子は泣きながら口をパクパクと動かすものの、声が出ていない
「私の名前?...私は自分の名前が分からなくなってしまったの。あなたは声が出ないのね?」
こくこく、と頷くその子にどうしたものか、と頭を悩ませる。
すると、女の子は私が分かるようにゆっくりと!口を動かし始めた。
「トイレにいったら病室が分からなくなっちゃった。番号は213だったから、そこはどこにあるか、お姉さんはわかる??」
女の子の口の動き通りに言葉を発せば、うんうん!!そう!!と言わんばかりに首を振られた。
「そうね...ごめんなさい、私も今起きたばかりでここの病院の事は全く分からないの...」
せめて地図があれば...そう思いながらまゆを下げると、女の子は大丈夫!!と口を動かした。
「...よし、お姉さんでよければ、一緒に病室を探してあげるわ。1人よりは怖くないでしょう??」
なんだか放っておけない女の子に、そう声をかければパッとキラキラした目を向けられ、手を差し出される。
差し出された手に恐る恐る手を重ねれば、女の子はぎゅっと握って、元気よく歩き出した。
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2806 - 227の一番最初の会話文名前変換がされません。 (2020年5月5日 23時) (レス) id: 9f4a8947a4 (このIDを非表示/違反報告)
空良(プロフ) - 紫乃さん» もしノット生存だった場合は番外編書きますね!!続編もよろしくお願いします!!! (2018年9月15日 21時) (レス) id: f2ba36fa24 (このIDを非表示/違反報告)
空良(プロフ) - 紫乃さん» コメントありがとうございます!!篠崎さんはもっと後に出てくる予定の重要人物かもしれません笑キュラソーに関してはネタバレになるのでノーコメントで笑ただ私も一応どちらのルートも考えているので迷ってます... (2018年9月15日 21時) (レス) id: f2ba36fa24 (このIDを非表示/違反報告)
空良(プロフ) - salomeさん» 了解です!!本編では、ハロは純黒の悪夢後に出てくる予定です!!番外編は書き次第のせます!!リクありがとうございます!! (2018年9月15日 21時) (レス) id: f2ba36fa24 (このIDを非表示/違反報告)
紫乃 - 本編でキュラソーが原作通り死んでしまうのなら、番外編の方でキュラソーの生存ルートで三つ子や少年探偵団と仲良くしているお話が読みたいです...!勿論いつになっても構いませんので...!続編も応援しています!! (2018年9月15日 15時) (レス) id: ac941b5bc4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:空良 | 作成日時:2018年8月15日 21時