159：ギャルと生きる選択 ページ9
遊び心は、時に残虐とイコールで繋がる。
この感情は表裏一体であり、だからこそ時に子供は残酷なのだと表すことが出来る。
真人は間違いなくそれだ。
Aを七海に投げたのも、全部一緒に処分しちゃおう。そういう心だったと思う。
Aは七海を支えにして、地に足をつけた。
「七海……」
呼ばれた七海は、Aを横目で見る。
Aは真人から目を離さず口を開く。
「私は恐らくこの領域内で死ぬことは無い。…私の中に居る呪霊が、さっきからずっと暴れてる。あの継ぎ接ぎに対して、触んじゃねぇって。……でも、アイツが次に技を発動させた時どうなるかは私にも予想がつかない」
全て助かるか。
それとも、自分だけ助かるのか。
呪霊の加護が働くのか。
それとも、呪霊は全て殺すと判断するのか。
「どちらにしろ、全員助かる手段は1つ。………私が
領域展開をする」
七海はサングラスの奥で目を見開いた。
「辞めてください、馬鹿な真似は…ッ」
全員助かる手段だとさっき言ったじゃないか。
自分が領域展開をするだと？
確かに、Aの領域ならば真人の領域を上回るだろう。
けど、助かるのは七海だけだ。
なぜ、この人は全員に自分をカウントしないんだ。
だって貴方が領域展開をしたら……
Aは、まだ自由の効く片手で七海の胸ぐらを掴んだ。
ヒューヒューと荒い息と共に、Aが必死に告げる。
「後輩見殺しに出来るわけねぇだろ…ッ、私の名誉を、傷つけさすな…ッ」
七海はぐっと息を呑み込んだ。
分かったなんて、言えるはずないだろ。
「…だから、呪術師はクソなんですよ」
七海は堪えていた言葉を吐き出した。
「他人の為に、命を投げ出す覚悟を時として仲間に強要しなければならない。だから、だから……＿＿＿＿」
Aさんの様な人間は、限りなく少数派だ。
世界規模で見ればそれはもう本当に。
どうして、呪術師の世界はそんな奴ばかりが集まるんだ。
少数派が、なぜこうも集まるんだ。
アンタみたいな人は、あまりにも強い光を帯びすぎだ。
だから、呪術師を辞めたんだ。
いや、逃げた。
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鼻毛太郎(プロフ) - 華花。さん» コメント有難うございます！これでいいのか...？と悩む時期が続いていた中、温かいコメントを頂けて本当に泣くほど感謝してます；；現在5章目を製作中なので、しばしお待ちを…！今後もギャルと呪術を宜しくお願い致します！ (2021年4月21日 11時) (
レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
華花。(プロフ) - いつも緊張して送れませんでしたが初コメント失礼します！もう作者様は言葉選びから構成まで最高すぎます…素敵な作品を生み出してくれてありがとうございます！ (2021年4月20日 23時) (レス) id: 2bd2296ed7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鼻毛太郎
| 作成日時：2021年3月1日 0時
