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197:ギャルと足止め ページ47

Aの奴、瞳孔が完全に開いている。


真希は生唾を飲み込んだ。

Aはたまにああなるんだ。
いつものヘラヘラした態度が消えて、肉食生物みたいにギラギラと鋭くなる。

一度、Aがお気に入りの服を破かれて30匹居た呪霊をキレて一人で祓ってしまったのを見た事がある。

「あれ、本当にAか?」と悟に聞くと、悟は肩を竦めて「逆にあっちが本当の先輩だよ」と返してきた。

「Aって、僕達が高専入学したあたりで丸くなったんだって。あの人、本当は滅茶苦茶態度も口も悪くて僕よりチンピラだと思うよ」

笑っちゃうよね〜なんて悟は言ってたが、何が笑っちゃうよねだ。



「A、ちゃんと説明してくれよ。というか、大丈夫か?…キレてる?」

「キレる一歩手前かな……説明は出来ない。っつーか、頭が追いついてない」

ちゃんと返答してくれるあたり、Aの言葉通りみたいだ。
我を忘れるほどキレちゃいないらしい。

「真依、お前は教師陣に合流した方がいい」

「説明しろって?アンタが説明出来ないことをどう私が、」

「電話出てくんね?私はもってても今後出れない」

Aが真依に携帯を投げた。
真依は落とす寸前で受け取る。
文句を言ってやりたかったが、真依の手の中で携帯が『出ろ』と急かしている。

「人使いが荒いんだから…」

急かす主は“夜蛾ちゃん”と記されていた。
真衣は渋々携帯に出る。


「真希は野薔薇達と合流して連携とれ。数分もしずに悟が来ると思うから、それまで呪霊1匹を足止めしろ」

「Aは?」

「もう1匹を殺す」

祓う、ではなく。

手出すとお前ら巻き込んじまうからな、Aが物騒な言葉を付け足たした時、木々たちが突如枯れ始めた。

「なんだあれ…」

真希は顔を顰める。
枯れるというか、まるで養分を吸い取られてるみたいな。
しかし、何よりも不気味なのは目の前からやってくるソレだ。

2mはありそうな体。
下半身にはスリットの履いたロングスカートを纏っている。覗く足を見る限り女だというのに、上半身は男の体つきをしている。

女と男が混在している、しかしそれ以上に不気味なのは胸に埋め込まれた2つの赤子の顔。
右の赤子だけ目を開けている。

それが何を表すのか。

顔には泥眼の面。


「早く行きな。マジで巻き込む」


Aの拳に呪力が灯る。
真希は言葉が出なかった。

ただ、急いで真依を立ち上がらせその場から退却する以外できることは無い。


アレはヤバい。
確実にヤバい。

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鼻毛太郎(プロフ) - 華花。さん» コメント有難うございます!これでいいのか...?と悩む時期が続いていた中、温かいコメントを頂けて本当に泣くほど感謝してます;;現在5章目を製作中なので、しばしお待ちを…!今後もギャルと呪術を宜しくお願い致します! (2021年4月21日 11時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
華花。(プロフ) - いつも緊張して送れませんでしたが初コメント失礼します!もう作者様は言葉選びから構成まで最高すぎます…素敵な作品を生み出してくれてありがとうございます! (2021年4月20日 23時) (レス) id: 2bd2296ed7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:鼻毛太郎 | 作成日時:2021年3月1日 0時

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