191:ギャルと実況 ページ41
____。
『始まりました、姉妹校交流会!!モニター向こうの皆さん、見てますかーー!!?』
モニターには、こちらに大腕を振るハイテンションなAが映っている。
片手に持つは立派なマイク。
対して、モニター向こうの皆さんこと教師陣の面々は五条を除き呆気にとられていた。
「よっ!先輩、今日も可愛い!!名実況者!!」
元気よく拍手をする五条。
『えーー、以前からワタクシ交流会に実況者が居ればなーっと思っていたんですよええ。ほら、プロレスとかも実況者が居た方が燃えるでしょ?』
不正も働けないしね!
Aはモニターへウィンクを見せる。
『と、いうわけで実況はこの私可借夜Aとお供に冥ちゃんの鴉一匹を肩に乗せ、現場から臨場感溢れる実況をお届けいたしまーーす!はい拍手!!』
勿論、拍手をするのは五条だけ。
「…どういう事だ、夜蛾」
「あのアホは、首輪を付けた所で静かになりません」
夜蛾がため息を漏らした。
とうの昔に、Aの破天荒さには諦めている。
あんなもの誰が手綱を握れるんだ。
「いいでしょこれ。僕とAでサプライズを仕込んでたんだ〜」
楽巌寺は軽薄に笑う五条を睨みつけた。
また面倒なことを。
「冥さん、Aに鴉を貸したんですか?」
歌姫が横にいた女性呪術師、冥冥に尋ねる。
冥冥は、含みを持たせた笑みを浮かべると言葉を返した。
「Aからは、株価予想を教えて貰ったからね。あの子の予想は外れないんだ。それを代金に、一匹貸した」
「じゃあ、あの一匹“だけ”は先輩に忠実なわけだ」
「ふふ、どういう意味かな五条君」
垂れた三つ編みから、冥冥は怪しく瞳を向ける。
五条はしれーっとした顔で「はて、幾ら詰まれたのかな」と呟いた。
「さて、」
鬱蒼とする木々の中、Aはその木の枝に佇み下を見下ろす。
ピンヒールでよく枝の上に立てるものだ、散り散りになる少し前野薔薇が零していた。
「何処から実況しようか」
足下の光景を前に、Aはニタと楽しげに笑みを浮かべる。
幹に背を預け、ぐったりとしている悠仁。
ピンクの頭髪には、流れ出たばかりの血がべたりと付着している。
その姿を見れば、誰でも凄惨な事態が今の今まで行われていた事を予想するだろう。
彼の前には、東堂が居た。
「1年、お前じゃ役不足だ。
「葵、悠仁を誰が教育したと思ってんの?この私だよ」
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鼻毛太郎(プロフ) - 華花。さん» コメント有難うございます!これでいいのか...?と悩む時期が続いていた中、温かいコメントを頂けて本当に泣くほど感謝してます;;現在5章目を製作中なので、しばしお待ちを…!今後もギャルと呪術を宜しくお願い致します! (2021年4月21日 11時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
華花。(プロフ) - いつも緊張して送れませんでしたが初コメント失礼します!もう作者様は言葉選びから構成まで最高すぎます…素敵な作品を生み出してくれてありがとうございます! (2021年4月20日 23時) (レス) id: 2bd2296ed7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鼻毛太郎 | 作成日時:2021年3月1日 0時