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181:ギャルと京都校 ページ31

「ところで、野薔薇なんで大荷物なの?」

「触れないでください」

放置されたトランク、投げ捨てられた観光雑誌。
Aは野薔薇の言葉を聞き、説明を求めようと伏黒を見たが無言で首を横に振られた。
何も聞くなということらしい。

「さぁ、気を取り直して!皆準備満タンかー!!?」

Aの言葉に、真希と伏黒以外が大きく返事をする。
やれやれ、なんでこの人誰よりも煩いんだ。

「真希は?桐壺許可出したけど…使わないの?」

薙刀一本の姿にAが尋ねる。
すると、真希はよくぞ聞いてくれたと口の端を吊り上げた。
そして、親指で伏黒を指す。

「恵が成長したんでな。術式で持たせてる」

恵が近くに居ねぇと面倒だけど、真希は付け足しながら言った。

「恵が?」

Aは驚いたと伏黒に目を向けた。
伏黒は頷く。

「はい。影の中に」

「なるほど。いいね、術式は己の解釈で無限に広がるからね。恵は術式センス良いから、私みたいになれるよ」

よく頑張った!
Aは伏黒の頭をガシガシと掻き混ぜてやる。

私みたいになれる。

その言葉に、伏黒は一瞬瞳を丸くさせた。
少しでもこの人に近づけている、そう思うと心底嬉しかった。
察した野薔薇がニヤニヤとしてる目を向けてきて、ハッとした伏黒はAの手を払った。

それでもAがまだ嬉しそうな顔をしているのは、一連のやり取りに彼の父を思い出したからだろう。


私も撫でられるのが恥ずかしくて、よくオッサンの手払ったなぁ



「おい、漸く来たぜ」

真希の言葉に一同が目を向けると、視線を誘導するよう石階段の方へ真希が顎をしゃくった。

ゾロゾロと現れる6名の姿。

「あら、御出迎え?」

気色悪い、くすくすと笑い真っ先に声を発したのは禪院真依。

続いて声を発したのは、一際大きな体格をした男。

「乙骨居ねぇじゃ……、」

気だるげに言う東堂葵。
彼は、東京校の面々を一瞥しながら言葉を漏らした瞬間だった。

面子の中に“彼女”を見つける。

金髪、派手な見た目をした女。
丸い青サングラスの奥の瞳と目が合う。

瞬間。

「東堂!?」

真依が呼び止めるのも遅く、東堂はAの目の前まで駆けた途端拳を勢いよく振るった。
しかし、その拳がAに届くことは無い。
髪を掠め拳を避け、そして受け流したと同時にAは東堂を地面へ投げた。

背を地面に打ち付ける東堂。

「私の勝ち。これで満足か、葵」

「流石、やはり勝てないか。我が兄(ビッグブラザー)には」

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鼻毛太郎(プロフ) - 華花。さん» コメント有難うございます!これでいいのか...?と悩む時期が続いていた中、温かいコメントを頂けて本当に泣くほど感謝してます;;現在5章目を製作中なので、しばしお待ちを…!今後もギャルと呪術を宜しくお願い致します! (2021年4月21日 11時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
華花。(プロフ) - いつも緊張して送れませんでしたが初コメント失礼します!もう作者様は言葉選びから構成まで最高すぎます…素敵な作品を生み出してくれてありがとうございます! (2021年4月20日 23時) (レス) id: 2bd2296ed7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:鼻毛太郎 | 作成日時:2021年3月1日 0時

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