【呪術廻戦】ギャルと呪術-4-

176：ギャルと交流待合室 ページ26

やってきた交流会当日。

そういえば今日か、七海は思いながら客間で英字新聞を捲った。

自分たちの頃は、1年から3年が交流会に参加した。
人数合わせで参加した訳だが、本当に1年が必要だったかと思うぐらい当時の2年とAが無双していたのを七海は思い出す。

六眼と無下限。
呪霊操術。
反転術式。
凌駕万有呪術。

灰原も私も、化け物面子の中でよく頑張りましたね。

思った矢先、その件の人物が現れた。


｢ハーイ！七海クーン！｣

客間の扉をパーンッと力任せに開け放ち、ヘラヘラと笑いながら室内に入ってくるA。
上機嫌極まりない表情、何故か片手にマイク。
出来ることなら関わりたくない、七海は思ったがもう遅い。

名前を呼ばれた時点で、Aにロックオンされているのだから。

｢七海クン調子どう？今日高専に何しに来たの？何読んでるの？私？私はもう絶好調！元気すぎて朝からカツ丼食べたの、ヤバくね？私若すぎ〜っつって｣

至近距離でマイクを向けられ、後ろから顔を覗き込まれる。
鬱陶しい以外の言葉が見つからない。

七海はブチギレそうになる感情を何とか抑え、マイクを自分から引き剥がす。

｢報告書の提出で立ち寄っただけです｣

｢あ、この会社の株絶対上がるよ。今のうちに買っときな。私の引き寄せ体質がビビビっと反応しちまってる｣

｢…貴方のそれ、本当に命中するので蔑ろに出来ないんですよ｣

話聞けよ、七海は内心思いながら返した。
Aが指さす先は、英字新聞に載っている株価情報だ。
Aの引き寄せ体質は本当に厄介で便利な能力であり、良くないものまで引き寄せる反面強運も引き寄せる。

パチンコ屋に入りなんとなく選んだ台で大当たりを叩き出したり、競馬の知識なしに競走馬をなんとなく選べば一着大当たり。

下手な術式よりも厄介だ。

｢冥冥さんに流してあげたらどうですか？｣

｢冥ちゃん〜！きっと喜ぶねぇ、私冥ちゃん超好き。今日来るんだよね〜楽しみ〜！｣

Aは移動し、七海の隣へ腰を下ろし足を組む。
鋭利なピンヒールの編み上げブーツにジーンズ地のスキニーパンツが良く似合う。

交流会は基本大人が動く事は無いにも関わらず、Aは珍しく動きやすい服装であった。

カーキ色の上着を羽織ってるとはいえ、腹部とデコルテを目一杯に見せたトップスは術師としてやはりどうかと思うが普段よりはマシだ。

任務だと言うのに、Aは普通にショート丈のタイトスカートを履いてくるなんて事ザラにある。

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