【呪術廻戦】ギャルと呪術-3-

135：ギャルと金魚鉢の中身 ページ35

｢人間をストックしてるんだ。一般人はすぐ死んじゃうんだけど、呪術師はどうかな｣

子供のように、呪霊は笑顔を浮かべた。
ドス黒くて仕方の無いものが溢れ出している。

｢17時半…8時間労働。18時には、何がなんでも上がります｣

七海の言葉に、Aはふっと口角を上げる。

｢オッケー、七海サポートする。勝手に動け｣

｢合わせられるんですか？｣

｢何年の付き合いあると思ってんだよ｣

術式の相性は悪い。
けれど、悪いからこそ組んだ時には凄まじい効力を発揮することを互いに分かっている。

学生時代、何度も任務に出向いた。

近距離パワー型、金髪の2人組。

｢時間外労働はしたくない｣

｢労働はクソ、だからね｣





＿＿＿＿。


教師って、学校卒業してそのまま学校務めるから
およそ社会と呼べるものを経験していないですよね



順平は、目の前の担任に吐き気を覚えた。
嫌悪、軽蔑、それら全ての感情が押し寄せる。

夏の暑さに汗を拭き、ヘラヘラと笑い、偽善と仲間意識を全面に押し付ける教師。

順平は覚悟した。
もうここで、“術式”を使ってしまっても構わない。

脳裏に自分を変えてくれた呪霊＿＿＿真人の姿が浮かんだ。




もう、いいでしょ



手印を組んだその時、“彼”は突然現れたのだ。

こちらに飛び込んでくる、ピンクの髪をした青年。
妙な生き物を手に、彼はくるくると回転し降り立つ。
着地が上手くいかなかったのか電柱に頭を打っていたのだが…。

彼は、全ての人間を無視して順平の目の前に飛び込んできた。

｢なぁ、聞きたいことあるからさ面貸して｣

順平はその距離の詰め方に驚く。

｢失礼だな、今俺が話してるだろ｣

｢あー…かなり大事な用でして｣

順平を挟み、ピンク髪の青年と教師は会話する。
とはいっても、教師の一方的な文句であったが。
おかげで、青年は微妙な表情を見せていた。

そして、その瞬間。

彼は教師のズボンを力任せに下げると、どこかへ持って行ってしまう。
驚く教師は、羞恥をなんとか押し殺し彼を追いかけた。


｢…なんだったんだ｣

呆気に取られる順平
すると、突然後ろから声がした

｢そんじゃ、行こうぜ｣

そこに居たのは、今さっきズボンを引ったくっていった青年の姿。

｢もう戻ってきたの！？…わざわざ、あんな事してくれなくても｣

その時、順平の脳裏に去年であった“お姉さん”の姿がチラついた。
金髪の派手なお姉さん。


そうだ、あの人も彼みたいに助けてくれた。

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