097：ギャルと怒り ページ47
「可借夜Aって、そんなに底知れないのかい？」
真人が驚いたように声を上げる。
産まれたての彼は、人間の生態に興味津々だ。
夏油も彼の成長を妨げるような真似はしない。
寧ろ、促進させたやりたいのだ。
「底知れないね。何せ、たかが四級以下だった少女が感情を逆撫でされキレただけで覚醒だ。想像できるかい？」
想像出来ていれば、自分はあの時負けていなかった。
高専一年の時、夏油の“中身”はAに挑んだ。
無論、Aは恐らく今でもこちらの正体に気づいていない。
Aに初めて出来た友人を乗っ取り、ぶつけた。
友人がボロボロになっていく様、暴走しA自身が挑まなければいけない地獄の末路。
精神をすり減らし、苦悩に塗れ、喉が枯れるほど咽び泣き。
結果、彼女はその全てを決意と怒りに変えて、突然覚醒した。
その時喰らったものが、領域展開。
「彼女は、私が見た呪術師達の中じゃ群を抜いてイカれているね。人間ってのは、行く所まで精神がズタボロになると廃人になるんだが、彼女はそれを怒りと決意に還元できるんだ」
それはまさに、己の快不快だけで動くバケモノの姿。
自分が立ち止まる事、相手にテリトリーを荒らされること、弱気になった所を舐められる所。
たかがその三つを汚されるのが、可借夜Aというバケモノにとって心底不快なのだ。
「領域展開をされた場合、どうなる？」
漏湖が尋ねた。
「肉体と魂、互いは引力で結ばれている」
突然述べられた言葉に、漏湖は顔を顰めた。
真人は興味深そうな顔をし聞いている。
他二体の呪霊も、恐らく聞いているだろう。
「って、仮説を可借夜Aは本能で組み立てた」
何言ってるか理解できないだろ？と、夏油は笑う。
「実際は見た方が早いのだがね...領域展開されると、肉体と魂を結びつける引力を彼女は一瞬にして断ち切る事が出来る」
生物は、ぷつんと電源が切れたように崩れ落ち、瞼を閉じる暇も与えられず無慈悲な死が与えられる。
肉体のみが、魂を断ち切られたが故に残る。
「その瞬間領域内を満たす呪力量は、特級の枠ではもう測れない。彼女は領域を展開した時のみ、ステータスを無制限に引き上げられるらしい」
要するにそれは、絶対必中。
我が領域内では、私だけが王。
邪魔をするなら、全員死ね。
「彼女の領域に入れば、呪術師だろうが呪霊だろうが関係ない。無差別に死が与えられる」
彼女の怒りの前では、神さえも頭を垂らす。
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鼻毛太郎(プロフ) - Reginaさん» コメントありがとうございます！遊びに来て頂き誠に嬉しいです😭🤍作品の楽しみ方も、書いている側としてはとても嬉しく、本当余すことなく楽しんで頂けてとってもらぶ…… 本編、まだまだ続きますが、是非楽しんでいってください！！ (2月1日 12時) (
レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
Regina(プロフ) - 高専編から読ませていただいて本編に来ました！内容はもちろんのこと、毎度イメソンが天才すぎてイメソン聞きながら読み返したりしてます！エンディング波のゆくさきで考えていらしたのも物語の深さにマッチする曲だと思うのですごく感動しました！！応援してます！ (2月1日 11時) (レス) @page50 id: c70aaf3a6d (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - 伝説のパンダさん» コメントありがとうございます！！いえいえ、全然大丈夫ですよ！！4本もシリーズがあるので、流石に間違えることもありますよね...私でさえ「これ3だっけ、4だっけ」ってなるので…0の方も読んでいただきとっても嬉しいです！！まだまだ続くので、今後もお楽しみに！ (2021年3月8日 9時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
伝説のパンダ - 申し訳ありません。４のほうにコメントしたつもりが、なんらかの手違いでこちらにコメントを飛ばしてしまったようです。本当に失礼なことを…次はもう少し興奮が引いたときにコメントします…すみません…。 (2021年3月8日 8時) (レス) id: ec9a309dee (このIDを非表示/違反報告)
伝説のパンダ - もんのすごく面白いです！！！夢小説はめったに読まないので、まぁ暇つぶしに…と思って読み始めたのがこちらの作品で、不覚にも大沼にハマってしまいました…本当に好きです！０のほうのお話、パパ黒大好きなのでそちらも凄く好きです！今後も応援してます！ (2021年3月8日 8時) (レス) id: ec9a309dee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鼻毛太郎
| 作成日時：2020年12月19日 3時
