085：ギャルと六眼の男 ページ35
＿＿＿。
『獄門疆を儂にくれ』
此処に来たのは、半分は戯れだった。
呪術界の双璧、五条悟と可借夜A。
どんなものかと図る、その程度だった。
しかし、今儂の中で煮え立つのはただ一つ。
己の矜恃が受け入れられぬ、ただそれだけ。
＿＿＿。
「領域展開の対処法は幾つかあるけど、最も有効的手段はこっちも領域を展開すること」
する、と布が五条の目元から下がっていく。
「より洗練された術が、その場を制するんだ」
高く筋の通った鼻を布が辿り、徐々に彼の顔の全貌を明かしていく。
「灰すら残さんぞ、五条悟ッッ！！！」
怒りに身を任せ、叫ぶ漏湖に領域内が応える。
地は盛り上がり、割れ、吹き出す業火と共に、まるで怪物が如くこちらを飲み込もうと襲い来る。
思わず悠仁は逃げた方がいいのでは？という顔で、隣のAに目をむけた。
しかし、当のAは気にもしず、呑気に自身の爪を眺めている。
可笑しい、絶対可笑しい！！
業火はもうすぐそこまで。
誰も逃げない。なんで。
なんで…！？
瞬間、業火はまるで透明の壁に衝突したかのよう静止した。
「領域展開」
低いけれど、相応の若さを帯びた声音。
どこか暴力的で、それでいて底には品が眠る。
空か、はたまた海か、どこまでも青い色をした瞳が業火を映す。
手印。
仏教で言う所の帝釈天と何処か通ずるものがあった。
「『無量空処』」
突然、漏湖の脳内に駆け抜けたのは、意志、意志、意志であった。
考えようが、それが行動に結びつくことはない。
ここまで考えた、それで、そこから先は…そして、また考える。
何故、どうして。何故完結しない？
終わりに向かいたいのに、過程から抜け出せない。
何をしたらいいのか分からない。
何もかも体の外側にあって、自分はそれが見えている。
いや、見えすぎている。だから、分からない。
頭を掴まれた。
後ろから。
気づけなかった。
「ここは無下限の内側」
五条の声。
そこには居たのは、どこまでも透き通った容姿を持つ美麗の男であったが、間違いなく男は五条悟であった。
片腕には悠仁を抱え、背にはAを。
Aが五条の肩口から、顔を覗かせた。
「ほらね、大概じゃん」
そうかな、と五条は笑う。
「だって皮肉臭いもの」
皮肉。
「まぁ、ね。全てを与えられた時、生物は処理出来ず緩やかに死ぬなんて」
「殺すなよ」
「仰せのままに」
語尾に強さが含まれた。
同時、漏湖の体と頭は意図もたやすく分離させられた。
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鼻毛太郎(プロフ) - Reginaさん» コメントありがとうございます！遊びに来て頂き誠に嬉しいです😭🤍作品の楽しみ方も、書いている側としてはとても嬉しく、本当余すことなく楽しんで頂けてとってもらぶ…… 本編、まだまだ続きますが、是非楽しんでいってください！！ (2月1日 12時) (
レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
Regina(プロフ) - 高専編から読ませていただいて本編に来ました！内容はもちろんのこと、毎度イメソンが天才すぎてイメソン聞きながら読み返したりしてます！エンディング波のゆくさきで考えていらしたのも物語の深さにマッチする曲だと思うのですごく感動しました！！応援してます！ (2月1日 11時) (レス) @page50 id: c70aaf3a6d (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - 伝説のパンダさん» コメントありがとうございます！！いえいえ、全然大丈夫ですよ！！4本もシリーズがあるので、流石に間違えることもありますよね...私でさえ「これ3だっけ、4だっけ」ってなるので…0の方も読んでいただきとっても嬉しいです！！まだまだ続くので、今後もお楽しみに！ (2021年3月8日 9時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
伝説のパンダ - 申し訳ありません。４のほうにコメントしたつもりが、なんらかの手違いでこちらにコメントを飛ばしてしまったようです。本当に失礼なことを…次はもう少し興奮が引いたときにコメントします…すみません…。 (2021年3月8日 8時) (レス) id: ec9a309dee (このIDを非表示/違反報告)
伝説のパンダ - もんのすごく面白いです！！！夢小説はめったに読まないので、まぁ暇つぶしに…と思って読み始めたのがこちらの作品で、不覚にも大沼にハマってしまいました…本当に好きです！０のほうのお話、パパ黒大好きなのでそちらも凄く好きです！今後も応援してます！ (2021年3月8日 8時) (レス) id: ec9a309dee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鼻毛太郎
| 作成日時：2020年12月19日 3時
