066： コンビニ ページ19
「機嫌良さそうだね♤」
自分の足元でしゃがみ込み、冷えたショーケースのドリンクを物色するAに言う。
彼女は、顔を上げずけれど弾んだ声音で「まぁね」と返した。やはり随分機嫌がいいみたいだ。
自分を見上げる姿に、思わず舌舐めずりをしかけたが必死に我慢するヒソカ。
数時間前に、Aは新しい携帯を作れる人物を発見した。
発見したというより、思い当たる人物がいる様子で彼女はそれ以降かなり機嫌がいいのだ。
その人物に会いに行くのは、二日後。
なぜ二日後なのかヒソカには分からないが、A曰く『都合の良い日にち』らしい。
「本当に教えてくれないの？」
「そう、秘密。貴方の事驚かせたいから。はい、これ」
Aは言いながら、ヒソカが持つカゴの中にアルコールの缶を入れる。
同棲生活が始まってから、二人で前のように酒を呑み交わしていなかった。
そんな中、上機嫌なAは「たまには良いじゃない」と酒盛りを提案したのだ。
「ボク結構秘密がある君のこと好きなんだよねぇ…♡」
「よかったわね、今日の私は機嫌良いから貴方がいやらしい顔見せようが怒らないつもりよ。昨日だったら、背骨引き抜いてたかも。」
にこりと笑いながら、桃のチューハイを追加するA。
思わずその笑みに、逆に怖いとヒソカは言いかけそうになったが口を噤む。
言えば、背骨が無くなるのは今日になるかもしれない。
でもそこが可愛いんだよなぁ…♡
うんうん、なんてヒソカは頷く。
二人は会計を済ませ、ホテルまで戻る道を歩く。
「コンビニで買い物か、君って名門暗殺一家の人間にしては案外世俗的だよね♧」
「伝説とか名門とか、噂だけよ。思ってるよりも、ゾルディック家って結構普通よ？家族と遊園地とかだって行くし。」
楽しそうに笑うAに、ヒソカはふっと表情を緩めた。
「ねぇ、A、」
ヒソカが呼ぶと、Aは「何？」と返す。
「…家に帰りたい？」
Aはその言葉に瞳を丸くさせた。
その問いはAにとって、今最大の願望だった。
ヒソカは内心分かっていた。
Aはこの期間、家族の話を出す時酷く嬉しそうな顔を見せるのだ。
その度に、ヒソカは「あぁ、本当は家族に会いたくて仕方ないんだな」と察していた。
『エデン』を盗まれたあの日、もっと早く駆けつけていれば…
このボクが、らしくないことを考えるじゃないか。
Aに手を出されたくないだけだろう？と、自分に問うが不思議と答えが出なかった＿＿＿。
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鼻毛太郎(プロフ) - rinochan810さん» ありがとうございます；；とっっても嬉しいお言葉…！読みながらドキドキして下されば、夢書きとして本望です…！これから2人の関係が徐々に変化していくので、楽しみにしていてくださると有難いです！ (2020年9月14日 23時) (
レス) id: 2a028e4c13 (このIDを非表示/違反報告)
rinochan810(プロフ) - あの、本当に素敵です…ドキドキさせられてます…。いつも楽しみにしています。これからも応援してます…！ (2020年9月14日 19時) (レス) id: 06f6601bca (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - ミリさん» コメントありがとうございます！文章に関しては、普段文字量が詰め詰めで申し訳ない…と思いながら書いていたので、そう言って頂けると凄く嬉しいです；；今後も、更新が遅くなる日もございますが宜しくお願いいたします！！ (2020年8月20日 17時) (レス) id: 16ef441d86 (このIDを非表示/違反報告)
ミリ - はじめまして。リメイク前の作品も読ませていただきました!!どちらも面白かったですし、文章も読みやすかったです。絵もステキですね!!!これからも読ませていただきます!!! (2020年8月19日 14時) (レス) id: 19b3aa7f76 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - Aaaさん» リメイク前の作品まで読んで頂けるとは…！とっても嬉しいですありがとうございます！！今後も、ちまちま細々と更新していきますので是非最後までお付き合い頂けると有難いです…！ (2020年8月10日 21時) (レス) id: 2a028e4c13 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鼻毛太郎
| 作成日時：2020年7月27日 0時
