347:最終局面 ページ49
「最終局面と行こう」
リンフォンがAの方を向いた。
「残念だな、もうお前は『エデン』には辿り着けない」
リンフォンが一歩ずつ歩を進める。
Aの脳みそは、この疑問が産まれたことで途端に活性化した。
そうだ、何故文字という視覚物が奴には見えるんだ。
見えないのであれば、文字である必要がない。
初めて“発”を行い能力を得る際、そんな仕組みになんてしないはずだ…!
「最後に『エデン』との思い出話をしてやろう」
仮説として、『
そして、視力は箱を手に入れる際無くなったものとする。
だとしたら、『
だって、見えもしないのに使うのは容量の無駄遣いなのだから。
「ほう、何々…?12歳の頃、初めて闘技場を訪れたのか。ふむ、190階で能力者とあたり……ははッ」
リンフォンは額を抑えて笑う。
「『エデン』を使ったにも関わらず立てなくなるほど嬲られたか…!くく、ふ、今と変わらんなァ!!ふふ、こんな滑稽な事があるかな」
Aの背には、傷からボロボロと皮膚が剥がれ落ち文字を型どっていた。
リンフォンが言った通りの内容だ。
背から脇腹にかけ出来た傷。そこから流れ出た血は石版の上で血溜まりを作り、その血が単語を描いている。
『エデン』『誓う』『もう負けない』
Aはそれを見て、当時の事を思い出した。
そうだ。私は、負けたあの日死ぬほど悔しくて闘技場から逃げ出した。
外の世界が見たかった、闇の世界から逃げたかった。
でも、本当の大きな要因は強くなってまた帰ってくることだった。
Aはあの日、『エデン』に誓ったのだ。
“もう絶対に負けない”と
『エデン』私と一緒に強くなって。
私に応えて。
Aの中で、その時ふつふつと何かが煮えたぎり始めた。
そうだ。
私は、『エデン』に“一緒に”って誓ったんだ。
それなのに
それなのに……ッ
「それで?『エデン』とはその後どうした?んん?……そこまでは記載されてないか」
「……!?」
コイツ、血液の単語が見えていない…!!
瞬間、Aの中で全てが1本の線となり繋がった。
分かった、分かったぞ…!
コイツ…!
しかし、この数秒後Aは一気に冷静さを欠くこととなる。
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鼻毛太郎(プロフ) - アネモネさん» ありがとうございます!とっても嬉しい限りです…;;夢主好きになってくれるなんて、めちゃくちゃ嬉しい…律儀というか天邪鬼というか健気というか純粋というか、そんな夢主ですが今後も宜しくお願い致します…!! (2021年7月25日 10時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
アネモネ(プロフ) - 面白すぎて、一気にここまで読んでしまいました………。今まで読んできた夢主ちゃんの中でトップレベルで好きです…!!ヒソカとの絡みで素直になれないところとか本当に可愛すぎます……!!作者様のペースで、これからも更新頑張ってください! (2021年7月24日 18時) (レス) id: 3b50ba95a6 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - ☆さん» コメントありがとうございます!とっても嬉しいお言葉頂けてモチベ上がります;;ヒソカもお姉さんもこれからまた関係が動いていったり、第三者が介入してきたり今後色んな事が起こりますが、是非今後も楽しんでくださるとありがたいです!お楽しみに!! (2021年7月9日 22時) (レス) id: 16ef441d86 (このIDを非表示/違反報告)
☆(プロフ) - 続編おめでとうございます。物語の構成があまりにも面白くて、大好きな作品です。ヒソカの性格も私の思い描いている通りで、また、彼と絡む夢主ちゃんの強さや弱さがとても大好きです。これからも無理なさらずに頑張ってください! (2021年7月9日 20時) (レス) id: 56780b611d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鼻毛太郎 | 作成日時:2021年7月9日 1時