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293:そして日常へ ページ45

「ジンのことか?」

クラピカが尋ねると、漸くゴンがこちらを向いた。

「うん。Aに父さんの話を聞いて凄いワクワクした反面、こんなにも近い距離に父さんの事を知ってる人が居たって事に驚いちゃって」

「確かに」

レオリオが頷く。

「A達と別れたあと、電脳ページを捲って“ジン”について調べてみりゃ規制かかってんだもんなぁ」

電脳ページには、ありとあらゆる事が載っている。
勿論、固有のハンター名を検索にかければそれさえもヒットする。
今日の数時間後、いや数分後には今年の合格者の名が一覧で年齢までも公開されるのかもしれない。

しかし、肝心の“ジン=フリークス”については何一つ出なかった。

いや、出ないようになっていたのだ。

彼は、極秘指定人物であった。
指定するには、一国の大統領クラスの権力や莫大な金銭が必要となる。

そんな人物の話を、こんなにも近い人から聞けた。


それなら、カイトのことも知ってる!?
と聞けば、「知ってるも何も、それ私の友達よ!」とまで返ってきた。
その後にAは何か言いかけたが、あれはなんだったのだろう。

「Aが12歳の頃、世界を一緒に旅した人…。彼女の師匠。しかし、滅茶苦茶な人だから何処で何をしているかは知らない…か」

「でも、こんなにも素敵な大人に今までもこれからも出会う事はないと思うって、A言ってた」

クラピカにゴンは返す。
その言葉を聞いて、ゴンは一層ワクワクした。
Aがあんなにも楽しそうに話してくれた。
ジンの話をする時のAは、本当に楽しそうだったのだ。


「俺、ますます会ってみたくなったよ。父さんに」


でもまずは、ククルーマウンテンへ向かうことからだ。



「ありがとう、A」



今一度、小さくなった最終試験会場を見下ろしゴンは小さく呟いた。









____。


市街を歩きながら、Aは口を開く。

「貴方と二人で街歩くなんて、なんだか数ヶ月ぶりぐらいな気分」

「前と今とじゃ、大きく関係性が違うけどね♡」

「だから、街中で抱こうとするのなんなの!!?」

「ボクのこと好きなくせに〜♡」

「…シバ、シバく、わよ…」

「照れてる〜♡」

「もう絶対殺す。間違いなく殺す。刺し違えても殺す」

圧倒的殺意を昂らせるA。
顔が赤いのは照れなんかじゃない、怒りで上気しているのだ。
Aは自身に言い聞かせる。

試験が終わった途端これだ。
勘弁してくれ。

294:お、おあー…→←292:ジン



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鼻毛太郎(プロフ) - みこさん» コメントありがとうございます!新しい扉開けたようで、私としてはとても嬉しい限りです限りです😂現在進行形で長く続くシリーズではありますが、是非引き続きお楽しみください!! (2022年6月1日 22時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
みこ(プロフ) - 初めてコメントさせていただきます...!実は私ヒソカさん、可もなく不可もなくくらいだったのですが...この話を読み始めたらなにやら目覚めました...笑← 一気に読み進めてしまい、夢中になっております!!続編もウキウキしながら楽しみに読みます!! (2022年6月1日 20時) (レス) @page50 id: e77f4d9956 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - ポテトさん» 毎回ポテトさんからコメント頂けて本当に有難いです;;私こそ、ポテトさんからのコメントを楽しみにしているんですよ…段々クロロとのシーンが刻々と迫ってきていますね…私自身も皆さんにお見せできる日を楽しみにしています!こたらこそ、以降も宜しくお願いします! (2021年7月9日 1時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
ポテト(プロフ) - 続編おめでとうございます。本当に一話一話を読むのが、楽しいです。これから、お姉さんがクロロとどう関わっていくか楽しみです。ヒソカとの、いつもの会話が久しぶりに見れて、「やっぱりこれだよな」と思い、最高でした。これからのお話も楽しみにしています。 (2021年7月8日 22時) (レス) id: 1bfcbf4b39 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - ポテトさん» ああありがとうございます;;凄く達成感を感じますね…この展開、ネタ帳を見たら昨年の9月に決まってたみたいでビックリしました。温めていたものを皆さんに見せられてとても満足しています。神回まで言われて、本当に嬉しい限りです…;;;; (2021年6月29日 0時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:鼻毛太郎 | 作成日時:2021年5月30日 0時

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