291：律儀 ページ43
「それについては本当に…面倒かけるわね」
「その代わり、いつでも連絡してよ。助けて欲しい時とか、そうじゃない時でもさ」
俺たち、唯一無二の双子だろ。
イルミは両手をAの前で広げた。
仲直り、というのが正解かは分からないが、思えばAにもイルミに嘘をつき黙っていたという非がある。
「これでお互い様。平等になったでしょ？」
Aは、その言葉に「なるほどね」と頭を搔く。
一杯食わされたのか、良いように言いくるめられたのか。
「確かに、おあいこ様って感じね」
Aはイルミと抱擁を交わす。
「今度は、俺の事頼ってね」
「うん、連絡する」
「父さん思ってる程怒ってないよ。呆れてるけど。……いつでも帰ってきてよ、姉さん」
Aはイルミの首元に顔を埋め、「うん」と小さくしかし力強く返事をした。
暫しの別れだ。
お互いもう24になる。
いつまでも一緒に、なんでも熟さなければいけない歳でもない。
どんなに離れても、血は繋がっていて、誰よりも濃く太く繋がっている。
「じゃあ、またね。姉さん」
「またね、弟」
イルミは、珍しく小さく笑ってその場から去っていった。
「ごめんね、ゴン君。何度も遮っちゃって」
Aの言葉にゴンは首を振る。
「ううん。ちょっと意外だった、イルミってあんな感じなんだね」
「本当はね。いい子っていうか…素直すぎる子なのよ」
Aの言葉に、ゴンは『やっぱりお姉さんって感じだ』と思ってしまう。
肩を竦めたAは、すぐに切り替えて一枚の紙を三人へと渡した。
「一枚しかないけど、私の連絡先」
その行動に、静かにしていたヒソカが目を剥く。
ボクにすら渡したことないのに！？
横のヒソカの目線を知ってか知らずか、Aはそのまま言葉を続ける。
「手が必要だったりしたら連絡して。三人には沢山恩があるし、何より姉としてお礼がしたいの」
Aはその場で頭を下げた。
「キルアと友達になってくれて本当にありがとう」
目の前の三人は目を丸くした。
思った以上に常識のある人だとは思っていたが、ここまでだとまでは思っていなかった。
あのウサギ頭の中身が、こんなにも律儀な人だったなんて。
「い、いや、友達になってくれてだなんて、」
レオリオは困ったなと頭の後ろを掻いた。
その時、突然ゴンが「お姉さん！」と声を上げた。
同時、頭を下げるAの両頬に手を添え掬いあげる。
「俺達は、自然と友達になったんだよ！」
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鼻毛太郎(プロフ) - みこさん» コメントありがとうございます！新しい扉開けたようで、私としてはとても嬉しい限りです限りです😂現在進行形で長く続くシリーズではありますが、是非引き続きお楽しみください！！ (2022年6月1日 22時) (
レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
みこ(プロフ) - 初めてコメントさせていただきます...！実は私ヒソカさん、可もなく不可もなくくらいだったのですが...この話を読み始めたらなにやら目覚めました...笑← 一気に読み進めてしまい、夢中になっております！！続編もウキウキしながら楽しみに読みます！！ (2022年6月1日 20時) (レス) @page50 id: e77f4d9956 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - ポテトさん» 毎回ポテトさんからコメント頂けて本当に有難いです；；私こそ、ポテトさんからのコメントを楽しみにしているんですよ…段々クロロとのシーンが刻々と迫ってきていますね…私自身も皆さんにお見せできる日を楽しみにしています！こたらこそ、以降も宜しくお願いします！ (2021年7月9日 1時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
ポテト(プロフ) - 続編おめでとうございます。本当に一話一話を読むのが、楽しいです。これから、お姉さんがクロロとどう関わっていくか楽しみです。ヒソカとの、いつもの会話が久しぶりに見れて、「やっぱりこれだよな」と思い、最高でした。これからのお話も楽しみにしています。 (2021年7月8日 22時) (レス) id: 1bfcbf4b39 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - ポテトさん» ああありがとうございます；；凄く達成感を感じますね…この展開、ネタ帳を見たら昨年の9月に決まってたみたいでビックリしました。温めていたものを皆さんに見せられてとても満足しています。神回まで言われて、本当に嬉しい限りです…；；；； (2021年6月29日 0時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鼻毛太郎
| 作成日時：2021年5月30日 0時
