253：難攻不落 ページ5
「＿＿＿それで、そいつ頭のネジが一本イってるから、大事な話してるのに聞いてないって事は殆どだし、」
段々、愚痴っぽくなってきてしまったのを感じながら、Aはゴンに”友達”の事を話していく。
すると、突然ゴンが「ウサちゃん！」と顔を上げた。
まさか”友達”が誰か気づかれたかとAは身構えてしまう。
そんな事も露知らず、ゴンはにこやかに笑みを見せた。
「ウサちゃんって、本当はそんなに楽しそうに話すんだね」
子供の純粋な言葉に、Aは思わず動揺した。
まさか、全く楽しいわけないじゃない。
ゴン君、それは思い過ごしよ。
そう思いたい。
ゴンは、Aの事など気にも留めず話し続ける。
「キルアみたいだった！」
「え…？」
動揺もそのままに、ゴンの突然出た言葉に尋ね返す。
ゴンは、こくりと一度頷くと続けた。
「キルア、お姉さんが居てね、お姉さんの話をこの前してくれたんだ。その時、すっごく楽しそうで、」
それと同じ感じだった。
ゴンは今一度Aに顔を向け言った。
「きっと、お姉さんの事大好きなんだと思う。あ！ウサちゃんも、そうなの？」
ガンッ、腰を窓枠にぶつけるA。
なんて変化球なんだ。変化球どころか、デッドボールだぞ。
動揺もそのままに、Aはゴンへ急いで言葉を返した。
「すっ…、好きなんかじゃ、そんな、好きなんか……」
好きなんか
突然喉の奥が詰まって、苦しくなって、Aは漸くそれがこの感情から生まれる現象なのだと察した。
もう、もう、もう。
酷く苛つくのに、心の底から怒ることができない。
Aは喉の奥に詰まった息を吐き出した。
「友達の事、友達として見れなくなってきてるの。最低じゃない？」
「なんで？」
「なんでって……私だけ不純な目で見てるから…？」
なんだか違う気もするが、とにかく妙な罪悪感があるのは本当だ。
でも、じゃああの夜のことは？
私だけがそう思ってるとは限らないってこと？
いやでも、だったらキスしておいて何もないなんてある？
ダメだ。
何よりも感情が追いついていない。
ゴンは相変わらずよく分かっていないようで、首を傾げた。
「だって、友達としては好きなんでしょ？」
「…多分」
「それじゃ収まりきらなくなっただけじゃないの？」
Aはその言葉に唖然としてしまう。
本日何回目かの「ゴン君、君凄いね」を零した。
難しい。
本当に難しい。
「私はね、自分がぐちゃぐちゃになってく気がして怖いのよ」
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鼻毛太郎(プロフ) - みこさん» コメントありがとうございます！新しい扉開けたようで、私としてはとても嬉しい限りです限りです😂現在進行形で長く続くシリーズではありますが、是非引き続きお楽しみください！！ (2022年6月1日 22時) (
レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
みこ(プロフ) - 初めてコメントさせていただきます...！実は私ヒソカさん、可もなく不可もなくくらいだったのですが...この話を読み始めたらなにやら目覚めました...笑← 一気に読み進めてしまい、夢中になっております！！続編もウキウキしながら楽しみに読みます！！ (2022年6月1日 20時) (レス) @page50 id: e77f4d9956 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - ポテトさん» 毎回ポテトさんからコメント頂けて本当に有難いです；；私こそ、ポテトさんからのコメントを楽しみにしているんですよ…段々クロロとのシーンが刻々と迫ってきていますね…私自身も皆さんにお見せできる日を楽しみにしています！こたらこそ、以降も宜しくお願いします！ (2021年7月9日 1時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
ポテト(プロフ) - 続編おめでとうございます。本当に一話一話を読むのが、楽しいです。これから、お姉さんがクロロとどう関わっていくか楽しみです。ヒソカとの、いつもの会話が久しぶりに見れて、「やっぱりこれだよな」と思い、最高でした。これからのお話も楽しみにしています。 (2021年7月8日 22時) (レス) id: 1bfcbf4b39 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - ポテトさん» ああありがとうございます；；凄く達成感を感じますね…この展開、ネタ帳を見たら昨年の9月に決まってたみたいでビックリしました。温めていたものを皆さんに見せられてとても満足しています。神回まで言われて、本当に嬉しい限りです…；；；； (2021年6月29日 0時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鼻毛太郎
| 作成日時：2021年5月30日 0時
